日中これからの50年 友好・理解・共同

日中これからの50年 友好・理解・共同

1972年9月29日、日本と中国は国交を正常化した。筆者なりにこの50年を振り返ると、憧憬・波乱・緊張・改善期と区切れよう。そして現在は停滞期と言える。悪化中とする人もいるが前向きに停滞期と言いたい。今年は50周年の記念すべき年であるが、祝賀ムードは両国ともに殆どない。その要因は、歴史・領土・米中対立(世界情勢ふくむ)・コロナ往来難・情報の影響と思われる。歴史=両国関係は、長い友好交流・先の戦争・その後の協力と概観できるが、戦争部分にスポットが集まり、他の部分は過小評価されている。領土=沖縄県尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐっての対立。

そして米中対立(世界情勢ふくむ)=世界2大国といえる米中は多分野で対立、さらにウクライナ戦争などが絡み、米と同盟を結ぶ日本も巻き込まれている。コロナ往来難=コロナ禍で往来困難となり意思疎通が難しくなっている。情報=世界中のメディアから私的SNSまでが、それぞれの立場・主張・国益…から発信。売らんがため目立つための商業ジャーナリズム・ネガティブ情報が多く、善隣ジャーナリズム・ポジティブ情報は埋もれがち。排他的情報に引っ張られ立体的・総合的判断を難しくしている。

50年前の両国政府の「共同声明」前文には「一衣帯水の隣国・長い伝統的友好の歴史・戦争責任を痛感し深く反省・『復交三原則』再確認・社会制度の相違があるにもかかわらず・相互に善隣友好関係を発展させる・両国国民の利益に合致・アジアにおける緊張緩和と世界平和に貢献」などとある。このように日中両国は「隣国」であるが、「社会制度の相違がある」隣国。つまり体制・民族・歴史・国益・思想などが異なる外国、よって相互理解は容易でない。難しいからこそ相互理解の努力が求められる。さらに進めて共同活動の実践が重要。

以上および新疆諸氏と行ってきた国際協力、7月の習近平国家主席の新疆視察、新疆の大発展ぶり、「G2」中国と10年30年50年後を見据えての交流の重要性などを7月23日、「ピンポン外交」ゆかりの愛知工業大学で開かれた愛知県日中友好協会「日中国交正常化50周年記念講演会」で「日中これからの50年 友好・理解・共同 〜新疆ウイグル自治区で国際協力40年〜」と題してPPTで講演した。第7波で前日には20万余感染の中、日中友好協会の岡崎温理事長・愛知工業大学の後藤泰之学長・名古屋市議会の中村満議員・愛知県日中友好協会の原田泰浩副会長・東海日中関係学会の川村範行会長ら50余名が参加された。中国駐名古屋総領事館からも李巧副領事と黄旭峰氏が参加された。オンライン参加も多数とか。

筆者は国交正常化直後の10月、香港(当時は英領)から鉄橋を歩いて渡り、両側に着剣した人民解放軍が並ぶ中を中国へ入った。1982年からは新疆で国際協力を実践してきた。筆者にとって今年は中国訪問50周年であり、新疆活動40周年でもある。国際間フライトも再開されつつある。国交正常化50周年の今こそ未来志向で友好・理解・共同を推進し「復交三原則を再確認し、善隣友好関係を発展させ、緊張緩和と世界平和に貢献」を期待したい。筆者も老残微力を捧げる。

しかし8月2日、米ペロシ下院議長が中国の強い反対を押し切って台湾訪問。中国は猛反発し台湾島周辺で大規模軍事演習や対米制裁。台湾問題は大きく動き出し、米中対立は新たな段階に入った。東アジアは緊張期に入った。日本のEEZ内にもミサイル落下。岸田首相は韓国経由来日したペロシ議長と5日朝食。米国と同盟を結ぶ日本は、同時に中国と関係深いアジアの隣国。難しいバランス外交が求められる。日中関係改善はさらに困難となるのだろうか? そんな今こそこれからの50年を見据えて友好・理解・共同を!

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