米国に留学する中国人が半数以下に、原因は「トランプ」や「コロナ」だけじゃなかった

米国に留学する中国人が半数以下に、原因は「トランプ」や「コロナ」だけじゃなかった

米国留学する中国人半減の訳

ジョン・F・ケネディ国際空港

海外在住中国人向け情報サイトの文学城は12日、「中国人にとって米国はもはや、留学先としての第一候補ではない」と紹介する記事を掲載した。原因には米トランプ政権が行ったビザ発給の制限や新型コロナ感染症による移動制限があるが、それ以外にも中国人が米国留学をためらう理由があるという。

米国政府が2022年1−6月に中国国籍保持者に発給したF−1ビザ(学生ビザ)は3万1000件だった。19年同期の6万4000件と比較すれば、半数以下に落ち込んだ。

そのため、米国の高等教育機関では、中国人留学生の受け入れ数がおしなべて減少している。ネブラスカ大学リンカーン校では、ピークだった16年秋には1234人の中国人学生を受け入れたが、21年秋の受け入れはわずか415人だった。同校で国際関連を担当するジョシュ・デービス副校長は「大学は現実に直面せねばならない。今となっては往時に戻れない」と、中国人学生数の再増加は期待できないとの考えを示した。中国人学生が納入する学費などは、多くの大学などにとって「極めて重要な財源」だっただけに、大学側にとっては深刻な事態だ。

米国に留学する中国人が激減した最大の理由は新型コロナウイルス感染症だ。中国政府による海外渡航の制限もあり、米国側の外国人受け入れ制限もあった。しかし、各国で感染症対策が本格化する以前から、自分の進路を考える中国人の若者の間では、以前のように米国留学に抱く「バラ色の夢」が低減していたという。

きっかけは、17年1月に発足した米トランプ政権が対中強硬策を取ったことだった。米中関係の悪化を受け、「中国人留学生は米国に歓迎されない」と感じ、米国以外の国へ留学したり、中国に留まって進学する学生が増えたという。トランプ政権は実際に、中国人留学生の受け入れ制限も実施した。

米国の場合には、中国人が留学先として選択することを思いとどまらせる、もう一つの直接の要因があった。米国内で「コロナの流行は中国のせいだ」と恨んだ人が、アジア系の人を襲撃する事件が多発したことだ。

米トランプ政権の対中強硬策を批判していた中国メディアは、米国におけるアジア系住人の「無差別襲撃」を大きく取り上げ、厳しく批判した。中国メディアはアジア系住人に対する襲撃を「個別の特殊例」ではなく、米国社会が抱えてきた歪みの顕在化と紹介した。被害者の状況を含めて紹介する動画シリーズを制作してインターネットなどを通じて公開したメディアもある。

文学城が掲載した記事によれば、米国の大学で工学を学んでいる浙江省台州出身の21歳の女性は「多くの同胞(中国人)が、米国での襲撃を心配している。安全でないと感じる」と説明した。彼女はかつて、「コロンビア大学かコーネル大学で修士課程を履修したい」と、具体的な大学まで考えて米国国内での進学を希望していたが、襲撃されることの不安に加えて、申請してもうまくいかなかった事例が多い事を知り、カナダのトロント大学に進学することを考えているという。(翻訳・編集/如月隼人)

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