日本との慰安婦合意、「韓国人は受け入れられない」繰り返す文政権、破棄や再交渉には言及せず

日本との慰安婦合意、「韓国人は受け入れられない」繰り返す文政権、破棄や再交渉には言及せず

15年末の日韓慰安婦合意について「多くの韓国人は受け入れられずにいる」と繰り返す韓国の文在寅大統領。しかし、合意の破棄や再交渉には言及を避けている。文政権が目指す道筋はまだ見えないままだ。資料写真。

2017年6月24日、15年末の日本との慰安婦合意について「多くの韓国人は受け入れられずにいる」と繰り返す韓国の文在寅大統領。しかし、日韓関係の悪化に直結する合意の破棄や再交渉には言及を避けている。日本政府はソウルの大使館前の少女像撤去を含む合意履行を求める立場を堅持。文政権が目指す道筋はまだ見えないままだ。

文大統領は就任直後の5月11日に安倍晋三首相と初めて電話会談した際、慰安婦合意について「両国の発展のためには歴史問題は賢く解決する必要がある」との認識を示しながらも、韓国内には合意に対する厳しい世論があることを説明。安倍首相は「国際社会からも高く評価された合意を責任をもって実施していくことが重要だ」と応じた。

6月20日付の米紙ワシントン・ポストとのインタビューで文大統領は「朴槿恵政権で行われた日本との慰安婦合意は韓国人、とりわけ被害者に受け入れられていない」と指摘。問題を解決するポイントは「日本政府がその行為について法的な責任を負い、公式に謝罪すること」と話したが、同時に「この一つの問題で韓日関係の進展が妨げられてはならない」とも強調した。

22日のロイター通信とのインタビューでも「慰安婦問題を含め、韓国との過去の歴史問題を解決するために最善の努力をしていない」と日本を批判。日韓合意に関しても「多くの国民が受け入れられない」と改めて主張し、日本に対し追加の措置を迫る姿勢をにじませたが、それ以上は踏み込まなかった。

岸田文雄外相と21日に初めて電話で会談した康京和外相も、岸田氏が日韓合意の着実な履行を求めたのに対し、「国民の大多数と被害者たちが受け入れられないのが現実だ」と述べ、困難との認識を表明。「双方が共同で努力し、賢明に解決していかなければならない」と訴えた。

聯合ニュースによると、韓国外務省は今月中にもタスクフォース(TF)を設置。日韓合意の検証に着手する。TFは合意までの交渉で被害者の意見聴取が十分に行われたかや、こう着状態が続いた交渉が土壇場で急進展して合意に至った経緯などを日本との局長級協議(14年4月〜15年12月)関連文書、関係者へのヒアリングなどを通じて確認する。「最終的かつ不可逆的な解決」との文言、少女像の移転と関連した文言が盛り込まれたいきさつも検証対象になるとみられる。

日韓合意について、聯合ニュースは「文大統領は韓日双方が共に努力し、賢く解決しなければならないという基本的なスタンスを示したが、合意の尊重、破棄などに関しては立場を決めていない」と報道。「検証結果は合意を破棄するか、もしくは維持するかなどに関する韓国政府の立場決定に向けた手続きの一つ」と伝えている。(編集/日向)

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