<コラム>日本人の私がカルチャーショックを感じた中国語の単語

<コラム>日本人の私がカルチャーショックを感じた中国語の単語

かつて中国語の勉強を始めたばかりのころ、カルチャーショックを感じた中国語の単語がある。それは「小朋友(小さな友達)」という言葉である。写真は中国。

かつて中国語の勉強を始めたばかりのころ、カルチャーショックを感じた中国語の単語がある。それは「小朋友(小さな友達)」という言葉である。いったいどんな時に使うのか、この言葉に隠された日中の文化の違いを私なりに考えてみたい。

この「小朋友(シャオポンヨウ)」という言葉は子どもに対して使う。「小さな友達」という意味だが、特に自分の子どもでも友達でもない初めて会った子どもにもこの言葉を使うことができる。

例えば、子どもと会ったら「シャオポンヨウ、ニーハオ」(小さな友達、こんにちは)などと使うのである。日本語にすると「お嬢ちゃん」や「ボク」に当たるのだと思うが、「お嬢ちゃん、こんにちは」などと言うのは私からすると年配の人のイメージがある。私の年代で子どもに「ボク、こんにちは」などと話す日本人を私は知らない。一方、小朋友は「お嬢ちゃん」「ボク」よりは若い世代から年配の世代まで広く使われている表現なのである。

友達でない子どもに対して大人が「小さな友達」と呼ぶのは、日本人の私からするとカルチャーショックだった。大人が子どもに「おーい!小さな友達ー!」と呼びかけているのは、なんだか微笑ましい。英語も子どもに対して「shoes on down」(お靴履いてね)など「down」を使うこともあるので、小朋友も同じニュアンスだと言えるだろう。

英語も中国語もこのような呼びかけの表現があるのに、日本語にはないと思ってしまいそうだが、日本人は別の方法で子どもへの優しさを伝えていると思う。日本人は子どもと話す時に声が少し高くなって「お靴」や「お水」など「お」を付けたりするではないか。「おいしいねえ」と「え」を付けたりするではないか。これが中国語の「小朋友」に当たる表現と私は思っている。逆に言えば中国語の「小朋友」は大人が他人の子どもを本当に友達だと思っているのではなく、日本語の「○○だねえ」「○○だよお」ぐらいの軽いニュアンスなのである。

中国人は子どもが大好きである。個人の差はあれど、社会全体が子どもをとにかく大事に大事にしていると感じる。子どもの姿を追って編集しているテレビ番組もかなり多い。私は、中国人はそんなテレビ番組で可愛い子どもが走ったり笑ったり跳ねたりしている映像を観て、激動の中国社会で生き抜く疲れを癒しているのではないかと踏んでいる。中国の「シャオポンヨウ」たちは、あちこちから「小さな友達〜」「小さな友達〜」と呼ばれながら、今日も中国の大人たちを癒しているのだろうか。

■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中国人男性と結婚。英語を独学で習得後、英会話講師として働く傍ら中国のテレビなどを通し中国語も独学で習得。趣味は語学と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な国を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に国境や言葉の壁は関係ないと考えている。

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