日韓、歴史問題再発で関係悪化の懸念も、海自「旭日旗」掲揚めぐり韓国の観艦式参加見送り

海上自衛隊、旭日旗巡り韓国・済州での国際観艦式見送り 岩屋毅防衛相「非常に残念」

記事まとめ

  • 韓国・済州島での国際観艦式で、韓国海軍が旭日旗を掲げないよう海上自衛隊に要求
  • 参加見送りを公表した岩屋毅防衛相は「受け入れることができない」と語った
  • 旭日旗が韓国で"日本の軍国主義の象徴"とされたのは2011年のサッカー日韓戦がきっかけ

日韓、歴史問題再発で関係悪化の懸念も、海自「旭日旗」掲揚めぐり韓国の観艦式参加見送り

日韓、歴史問題再発で関係悪化の懸念も、海自「旭日旗」掲揚めぐり韓国の観艦式参加見送り

海上自衛隊が韓国で行われる国際観艦式への艦艇派遣を見送った。韓国海軍が旭日旗を掲げないよう求めてきたためで、応じられないと判断した。歴史問題の再発で日韓関係の悪化が懸念される。写真は韓国の国会。

海上自衛隊が5日までに、韓国・済州島で10〜14日に行われる国際観艦式への艦艇派遣の見送りを決めた。韓国海軍が旭日旗(自衛艦旗)を掲げないよう求めてきたためで、応じられないと判断した。日韓は8日、未来志向の関係構築などをうたった1998年の共同宣言から20周年を迎えるが、歴史問題の再発で関係悪化が懸念される。

旧日本軍も使っていた旭日旗が韓国で日本の軍国主義の象徴として改めてやり玉に挙げられるようになったきっかけは、2011年1月のサッカー日韓戦だった。日本人に対する差別行為をとがめられた韓国人選手が「日本側の応援席に旭日旗があったから」と釈明し、その後、韓国内の反日感情とも重なって「戦犯旗」の悪役イメージがすっかり定着した。

海自は1998年と2008年に韓国で行われた国際観艦式で旭日旗を掲げたが、2016年には韓国海軍主催の共同訓練に参加した潜水艦救助母艦などの旭日旗も韓国内で物議を醸していた。複数の韓国メディアが問題視。閉会式の場所が拒否反応を配慮して官民共用港から海軍基地に変更された経緯がある。

防衛省によると、韓国から観艦式への招待があったのは昨年(2017年)10月。護衛艦での参加へ準備を進めていたところ、今年8月末になって韓国側から日本を含めた参加14カ国に式典の際、マストに国旗と太極旗(韓国旗)を掲揚するよう要請があった。日本に旭日旗を避けるよう間接的に求めたもので、さらに3日には艦首艦尾にも旗を掲げないよう通知してきたという。

韓国メディアの報道で要請が明らかになった後、日本側は「自衛隊の艦艇が旭日旗を掲げるのは日本国内の法律で定められた義務」(9月28日、当時の小野寺五典防衛相)などと反応。自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長も4日の記者会見で「海上自衛官にとって自衛艦旗は誇りとしての旗だ。降ろしていくことは絶対にない」と強調していた。

5日、参加見送りを公表した岩屋毅防衛相は「わが国の立場としては、受け入れることができない。先方の意向はよく分からないところがあるが、非常に残念だ」と指摘。同時に「今後とも日韓防衛協力を推進していきたい」と語った。

韓国海軍は海自の参加見送りを受け、「遺憾に思う」と表明した。朝鮮半島情勢が大きく動く中、文在寅政権としては旭日旗問題で日本との関係がこじれることは避けたいのが本音とみられる。

しかし、韓国内には「今になって韓国人が旭日旗を見ただけで感情が高ぶるようになったのは、日本が過去の歴史をめぐって被害者たちに心から反省の意を示し、謝罪してこなかったことにある」(朝鮮日報)との声も根強い。一方で日本国内には「韓国の要請は無理筋」(外交関係者)との反発があり、日韓間の新たな火種になった。(編集/日向)

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