<直言!日本と世界の未来>平昌冬季大会に感動、「平和モラトリアム」を永遠に―立石信雄オムロン元会長

<直言!日本と世界の未来>平昌冬季大会に感動、「平和モラトリアム」を永遠に―立石信雄オムロン元会長

熱戦に湧いたオリンピックは25日幕を閉じたが、パラリンピックが3月9日から同18日まで開催される。朝鮮半島を巡る緊張状態はこの期間中、モラトリアム(猶予)成立により緩和されているが、平和と協調が永遠に続くよう願いたいものだ。

韓国平昌で開かれている平和の祭典オリンピック・パラリンピックの冬季大会。熱戦に湧いたオリンピックは25日幕を閉じたが、パラリンピックが3月9日から同18日まで開催される。朝鮮半島を巡る緊張状態はこの期間中、モラトリアム(猶予)成立により緩和されているが、問題は大会終了後。平和と協調が続くよう願いたいものだ。

17日間にわたったオリンピックでは、日中韓はじめ世界各国から集まった選手たちが大活躍、大いに盛り上がった。特にスピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒選手が銀メダルに終わり泣き崩れる韓国の李相花選手を抱き寄せた場面は感動的だった。

韓国と北朝鮮は、2月9日の五輪開幕式に朝鮮半島を描いた統一旗を掲げて合同入場したほか、女子アイスホッケー競技などで南北合同チームとして出場。さらに北朝鮮は五輪に約230人の応援団を派遣、南北のチームが出場する競技などを応援した。合同の文化行事も開催され、友好ムードが広がったという。

何よりもよかったのはこの間、北朝鮮絡みの挑発的なニュースがほとんど取り上げられなかったことで、大変気持ちが落ち着いた。

今回の北朝鮮の融和姿勢について、最終的には米国との直接対話で体制保証を取り付けるための「時間稼ぎ」の手段ではないかとの冷めた見方も、一部で出ているようだが、平昌冬季大会の期間中は、少なくとも北朝鮮の挑発や国の北朝鮮攻撃は回避されている。緊張緩和ムードを背景に、米国や日本の各種マーケットは落ち着きを取り戻している。万が一、軍事衝突があれば多くの命が失われ、世界経済は大混乱に陥ってしまう。

専門家によると、今後の焦点はパラリンピックが終了する3月18日以降予定されている米韓軍事演習の規模と内容とのこと。米朝間の「予備的対話」の開催や南北間の軍事会談が実現する可能性もあるというから期待したい。

地球上の多くの人々が平和を希求している。スポーツや文化に国境はない。特に南北朝鮮の同胞が友好の火を灯すよう願いたい。この機会に米朝間でも、対話のテーブルに着き、現実的な落としどころを見出すよう願いたい。

地球上の多くの人々が平和を希求している。もともと韓国と北朝鮮は同じ民族。ところが、米国、中国、旧ソ連(現ロシア)など大国の思惑から、分断を余儀なくされた。かつて朝鮮半島を併合し、忍従を強いた日本にも大きな責任があろう。南北政治体制は異なっても、民衆の思いは同じであろう。いち早く統一を果たしたドイツと同様に、早く「民族統一」が果たせるよう、温かく見守り支援したい。

4年に一度のせっかくの機会に生まれた友好ムードを生かして、南北統一へ弾みをつけてほしい。同時に米朝間の対話も、軍事衝突という最悪に事態に陥らないよう進めてほしいと切に思う。
<直言篇41>

1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。公益財団法人・藤原歌劇団・日本オペラ振興会常務理事。エッセイスト。

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