<羅針盤>「アジアは一つ」=ジャカルタ・アジア競技大会で考えたこと―立石信雄オムロン元会長

<羅針盤>「アジアは一つ」=ジャカルタ・アジア競技大会で考えたこと―立石信雄オムロン元会長

この夏インドネシアで開かれたアジア競技大会の熱戦を楽しんだ。約1万1千人の選手が参加。40競技465種目が実施され、いずれも2020年東京オリンピックを上回る規模。世界の経済成長センターアジアの底力を見る思いだった。ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港。

この夏インドネシアの首都ジャカルタで開かれた18回アジア競技大会の熱戦を楽しんだ。45カ国・地域から約1万1千人の選手が参加。40競技465種目が実施され、いずれも2020年東京オリンピックの33競技339種目を上回る規模。アジアは世界の経済成長センターとして脚光を浴びており、その底力を見る思いだった。

日本勢は競泳女子の池江璃花子選手が6冠を達成して最優秀選手(MVP)に選ばれたのをはじめ、競泳や陸上、フェンシング、東京五輪の追加種目である空手、スポーツクライミングなどで成果をみせた。金メダルは前回の2014韓国・仁川大会の47個を大きく上回る75個を獲得。日本として1966年タイ・バンコク大会の78個に次ぐ史上2番目の多さだった。

日本選手団の山下泰裕団長は「予想をはるかに上回る成績だったが、より大切なのは東京五輪につなげること」と述べ、顕著な成績を収めた競技として、バドミントン女子団体、フェンシング団体の女子フルーレと男子エペ、ホッケー男女などを挙げて、選手たちの活躍をたたえたという。これらどちらかといえば地味な種目にスポットを当てるのは当然であろう。

インドネシアでのアジア大会は1962年以来2度目。インドネシアのジョコ大統領は2032年オリンピック・パラリンピックの招致へ意欲的で、同国関係者は「2032年の五輪ホストとしての評価は得られた」と手応えを語っているという。

オリンピック・パラリンピックは2018年の韓国・平昌大会(冬季)の後、2020年東京大会(夏季)、2024年北京大会(冬季)とアジア開催が続く。日本、韓国、中国に続くインドネシアでの五輪開催が実現すれば「アジアの時代」を象徴する出来事になろう。次回アジア大会は2022年に中国・杭州で開催されるが、これも楽しみである。

2020年の東京五輪で懸念されるのは8月の灼熱環境への対応。今夏の「酷暑」を考えると、東京の暑さはジャカルタをはるかに上回ることが予想され、入念な対策が望まれる。
<羅針盤篇32>

1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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