「スモッグパニック」から韓国の責任転嫁の習慣をひも解く―中国紙

「スモッグパニック」から韓国の責任転嫁の習慣をひも解く―中国紙

12日、環球時報は、「『スモッグパニック』から韓国の『責任転嫁』の習慣をひも解く」と題する記事を掲載した。写真はソウル。

2019年4月12日、中国紙・環球時報は、「『スモッグパニック』から韓国の『責任転嫁』の習慣をひも解く」と題する記事を掲載した。以下はその概要。

春になり、韓国は「過去最悪のスモッグ」に見舞われた。憤りを感じるのは多くの韓国メディアがその「元凶」として中国を名指ししていることだ。スモッグに「中国製」のレッテルを貼り、「韓国は中国のスモッグの被害者」と訴える。実際のところ、韓国メディアの他国への「なすり付け」は目新しいことではない。

さまざまな資料を調べたところ、1960年代の韓国は今より深刻な大気汚染に見舞われていた。韓国・京郷新聞は62年に「ソウルの大気汚染のひどさは英ロンドンに次ぐ」と伝えている。80年代にソウル五輪が開催され、政府は粉じんの排出削減措置を取り始めたが、90年代に入っても問題は依然、深刻だった。96年6月、ハンギョレは「ディーゼル車の排気ガスは大気汚染の致命的元凶」と指摘。「政府は効果的な措置を講じていない」と批判の声を上げた。

韓国メディアが中国のスモッグに関心を寄せ始めたのは2002年のことだ。中国批判の兆しも現れ、13年以降はこうした報道が明らかに増えた。今年はこれがいっそうの高まりを見せ、韓国は他国のスモッグの「被害者」に。もちろん、専門家の見解を引用する形で「中国元凶論」に反論するメディアもあった。

「スモッグの原因は他国にある」とする韓国のやり方は、こじつけの度合いがすぎる。「韓国のスモッグは海外のせい」とメディアが騒げば、政府は国民感情や野党対策として相応の態度や措置を示さざるを得ない。ひどい大気汚染が起きた今年3月、韓国政府は車両の走行制限などの措置を取り、大統領は関係部門に中国政府との協議と緊急対応措置の策定を指示した。国立環境科学院は韓国のスモッグが中国によるものかどうかを調べるための合同調査を米航空宇宙局(NASA)に要請。環境部長官は同月11日、「国外からの汚染物の飛来が多くなっており、スモッグのピーク時には北朝鮮から飛来する可能性も高い」と発言した。

韓国のこうした「責任転嫁」あるいは自らを「被害者」とする現象は他にもある。韓国メディアは、発展によって引き起こされた中国の環境汚染問題を好んで「批判、監督」するが、韓国で昨年、ごみ問題が起きた際は多くのメディアが「中国の『ごみ輸入禁止令』が韓国を混乱に追いやった」と論じた。群山市にある韓国GM(ゼネラル・モーターズ)工場の閉鎖についても、「米GMが戦略の核を中国へ、上海GMをはじめとする合弁企業へとシフトしたからだ。これにともない、韓国にあるGM工場の戦略的地位が急速に低下した」との報道がなされた。

こうした中、声を上げたのが韓国・亜洲大学のチャン・ジェヨン教授だ。チャン教授はある番組に出演した際、「1980年代の微小粒子状物質PM2.5の濃度は今の4倍に相当。当時に比べ今は空気がきれいになっているのに、人々の不安は減るどころか増している」と指摘し、「韓国のスモッグを中国だけのせいにすることはできない」と強調。他の出演者も「中国が元凶というのは誤った見方」との認識を示した。

ではなぜ、韓国はいつも習慣的に中国に責任転嫁するのだろう。2013年前後に「中国のスモッグの被害者」と自らを見なし始めたのはなぜか―。当時、中国もスモッグに苦しみ、対策強化を始めたが、それ以外に中国人の経済力が高まったことが原因の1つに挙げられる。6、7年前に中国人観光客が韓国に押し寄せた際、多くの韓国人は中国人がなぜ急に豊かになったか理解に苦しんだ。そして、彼らはこれほど多くの中国人の消費能力が韓国人を超えたという現実から目をそらしたがった。ごみのポイ捨てや信号無視といった一部中国人観光客のマナー違反は韓国メディアの注目を浴び、それと同時に「悪いニュースがあれば中国を非難する」というのが当たり前となったのだ。16年に済州島で中国人観光客による殺人事件が起きた後、韓国メディアはことさら「中国人観光客が韓国で罪を犯した状況」の報道に熱を入れた。

韓国の一部メディアと政治家の「責任転嫁」現象について、中国留学経験のある某研究機関の研究者は「両国の社会制度の違いから、一部メディアは『中国を批判の対象にするのは簡単』と考えている」と話す。同氏はまた、「影響力の大きいメディアの背後には大企業の経済的サポートがあり、保守的傾向が強い。民主、リベラルなメディアは力が弱く、文在寅(ムン・ジェイン)政権は保守的なメディア、世論の批判を受け入れるしかない」とも指摘した。

韓国メディアによる「中国元凶論」の堅持は、中国に一定程度の責任を負わせようとするもので、韓国世論の中にある「救世主」心理の表れでもある。そして、韓国はアジアで最初に独自の難民法を制定した国だが、昨年5月にイエメンから来た難民が韓国のイメージを下げてしまった。500人余りの難民が済州島で難民申請した際、韓国国民の強い反対に遭ったのだ。難民受け入れ阻止を求める政府に対する市民の署名は約70万筆に上り、抗議活動も繰り返された。韓国人の難民に対する強烈な反発感情について、ある海外メディアは「韓国は単一民族国家。国民の同類意識は強く、移民に対して根強い偏見と排斥感情を持っている」と分析。世論の圧力を受けた韓国政府は昨年6月、イエメンをビザ免除対象国から外し、難民管理を強化している。

韓国は人口わずか5000万人、国土面積は約10万平方メートルという国だ。しかし、1人当たりの国内総生産(GDP)は3万ドル(約335万円)に達している。米国との特殊な関係、戦後の経済急成長が韓国を国際社会とつなぎ合わせ、国民の優越感は日増しに強くなった。韓国人の過度の自信と不合理な排外は多くの場面で示されている。例えば、韓国の多くのレストランは輸入品より価格が高くても国内の食材を使い、以前の韓国人は自動車購入でも国産を選んだ。ただ、ある韓国人はこっそりと「韓国車は安い。十分な資金があればベンツ、BMWといった一流ブランドを買いたい」とも明かしてくれた。

韓国人の過度の自信は国際的なスポーツイベントでも見られる。ソウル五輪ではペナルティーを科されたことに不満を持った韓国の選手らが審判に暴力を振るう一幕があった。先日、スピードスケートでロシア選手を倒して成績抹消となった韓国選手がいたが、韓国メディアは「2位のポジションを争って韓国とロシアの選手が接触。成績が取り消された」と軽く報じただけだった。

韓国国民について言うと、保守的な考え方が強い高齢者はメディアや政治家の影響を受けやすい。しかし、中国を理解している人や中国に行ったことのある人は違う。メディアが「中国産キムチが韓国市場を攻略」と報じた際、ある貿易会社の社長は「韓国経済は低迷している。値段が安くて質の良い中国産キムチを受け入れない手はない」と話した。そして、中韓両国の民間往来の拡大を背景に、韓国の若者は高齢者とは違う中国観を持つようになった。サムスングループの会長が「東アジアで韓国は日本を追い越そうと努力し、中国は韓国を追っている」という「サンドイッチ論」を語ったことがあるが、ソウル大学のある教授は15年に出演したテレビ番組で、「大勢の韓国人が中国の現状に対する理解を欠いている。中国に対する傲慢と偏見を捨てるべきだ。『サンドイッチ論』は時代遅れで、中国の若者が韓国を追い上げの目標としたことはない」と指摘。この教授の見解は韓国の若者に一定の衝撃を与えた。

一部政治家の言論について、ある韓国人は「自身の政党の利益を考えた発言。米国以外の国は保守勢力による政府攻撃に使われる」と話している。韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相は国会で野党議員の質問に困るたびに米国を「盾」にするが、このやり方に失敗はない。例えば「北朝鮮は本当に核を完全放棄する決心を固めたのか」と問われたのに対し、李首相は「トランプ大統領は北朝鮮の指導者との会談の後、北朝鮮が正しい行動を取ると信じていると表明した」と返した。こうした「責任転嫁」は野党議員に反論の言葉を失わせた。(翻訳・編集/野谷)

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