フォックスコンのテリー・ゴウ会長が2020年・台湾総統選に出馬宣言―「台湾版トランプ」の声も

フォックスコンのテリー・ゴウ会長が2020年・台湾総統選に出馬宣言―「台湾版トランプ」の声も

鴻海科技集団(フォックスコン・グループ)の郭台銘(テリー・ゴウ)会長が、台湾の総統選に出馬する。成功した企業家の中央政界進出ということで「台湾版トランプ」との声も出ている。

鴻海科技集団(フォックスコン・グループ)の創業者で董事長(会長)を務める郭台銘(テリー・ゴウ)氏が17日、台湾で2020年に行われる総統選に出馬する意向を明らかにした。成功した企業家の中央政界進出ということで「台湾版トランプ」との声も出ている。

台湾メディアの中時電子報は2019年4月18日付で、郭氏の「出馬宣言」の状況を紹介。郭氏は国民党の古い党員だが、一時期から党員登録の更新を怠っていたとして、国民党候補者になる資格を疑問視する声もあった。しかし国民党側が党籍の継続を認める決定をして、17日には呉敦義党主席が郭氏に「入党50年栄誉状」が手渡した。

郭氏はその場で、国民党が実施する候補者選びの予備選に参加することを宣言。候補者になれなかった場合、「2020年の総統選では全力で、党候補を支持する」と表明した。

発表されている資料を総合すると、郭氏は1950年、台湾台北県板橋鎮(現、新北市板橋区)で生まれた。両親は山西省出身で、いわゆる「外省人二世」ということになる。24歳の時、プラスチック製のテレビのチャンネル部品を造る会社を設立。その後、コンピューターのコネクター製造が成功し、さらにゲーム機やアイフォンなどを含む携帯端末など、世界的大企業の製品のOEM製造を手掛けるようになった。

郭氏は、フォックスコンを中核企業とする巨大企業グループを率いる台湾で最も成功した企業家の一人になった。2018年のグループ全体の売上高は、買収した日本のシャープなどを含めて、6兆1000億台湾ドル(約22兆1000億円)に達した。

フォックスコン・グループは生産拠点の大部分を中国大陸に設置している。安価な労働力を大量に投入することで低コストでの大量生産を実現したビジネスモデルだが、今後は中国国内の人件費向上などで、これまでと同様の経営が困難になっていく可能性も否定できない。グループはインドに、中国に次ぐ数の生産拠点を設けるなどしている。

フォックスコン・グループの中国工場では2009年10年前半にかけて、累計10人以上の職員が建物から飛び降りて死亡する事件が相次いだ。そのため、労働条件に問題があるとの批判も出た。グループ側は、建物周辺に安全ネットを設置するほか、職員に対する心理カウンセリングに力を入れるなどの対応をして、賃金の引き上げにも力を入れるようになった。しかしその後も、苛酷な残業に従業員がストライキを行ったり(2012年)、違法な残業をさせているとの指摘(2015年)が出たりしている。

郭台銘氏は、米誌・フォーブスによる2018年版「世界長者番付」で、台湾人としてトップ、全世界としては第181位である85億ドル(約9500億円)の資産を持つとされた。トランプ米大統領が保有する資産は約31億ドル(約3500億円)で、世界順位は700位台だ。郭台銘氏は、成功した企業家が政界進出することで、「台湾版トランプ」との言い方もされているが、資産家としては郭氏の方がトランプ大統領よりも「相当に大物」ということになる。(翻訳・編集/如月隼人)

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