韓国海軍のホルムズ海峡派遣、「日本を見習った」と韓国紙、「米・イラン間で妥協」とも

韓国海軍のホルムズ海峡派遣、「日本を見習った」と韓国紙、「米・イラン間で妥協」とも

韓国が海軍の中東ホルムズ海峡派遣に踏み切った。朝鮮日報は「米・イラン間で妥協」と報道。米国中心の「有志連合」に加わらず、独自派遣したことについては「日本を見習った」と伝えた。資料写真。

韓国の文在寅政権は21日、米国の要請を受けながらちゅうちょしていた海軍の中東ホルムズ海峡派遣に踏み切った。政権の最終判断に関して朝鮮日報は「米・イラン間で妥協」と報道。米国中心の「有志連合」に加わらず、独自派遣の道を選んだことについては「日本を見習った」と伝えた。

ホルムズ海峡は韓国の原油輸入の7割以上が通過し、韓国船舶が年間1200回も往来する。昨年6月、ホルムズ海峡でタンカー襲撃事件が相次ぐと、米国はその背後としてイランを名指し、民間船舶の安全航行を名分に同盟国に有志連合への参加を求めてきた。ポンペオ国務長官は同年7月と8月、韓国と日本にも参加を促した。

韓国は当初、参加に難色を示し、先月初めまでは派遣の有無はもちろん、派遣の形式についても明確な立場を明らかにしなかった。大統領府(青瓦台)は記者会見などで関連質問が出てくるたびに「国益次元の基準を持って決定する」という回答を繰り返した。駐韓イラン大使は「断交」までちらつかせ、文政権をけん制していた。

韓国国防省によると、今回派遣されるのは海賊対策のためアデン湾で活動していた部隊。作戦海域がアデン湾一帯からオマーン湾、ペルシャ湾一帯の約3900キロにまで拡大され、韓国国民と船舶の保護任務を遂行する。昨年末に国会を通過した「国軍部隊のソマリア・アデン湾海域派遣延長同意案」では、部隊の派遣地域は「ソマリア・アデン湾海域一帯」に限定されているが、「有事のとき、韓国国民の保護活動の際に指示される海域を含む」というただし書き条項が付いているため、作戦地域をホルムズ海峡まで拡大できる。

派遣について朝鮮日報は「韓国政府が米国主導の有志連合に参加せず、既に付近で作戦中の部隊の作戦区域を拡大したのは、一種の『折衷案』だと解釈されている」と解説。「国際社会の関心事となったホルムズ海峡一帯の安全確保の努力に賛同しつつも、米国とイランのうちどちらかの肩を持つような印象を与えないため、折衷案を選んだというわけだ」と付け加えた。北朝鮮問題や防衛費負担をめぐり、米韓の不協和音が高まっている中、米国との溝をさらに広げたくないとの判断も働いたとみられる。

韓国にとって「渡りに船」だったのは、やはり有志連合には参加せず、海上自衛隊の護衛艦と哨戒機の中東派遣を昨年末に閣議決定した日本の対応だった。日本が韓国に先行して独自派遣の既成事実をつくってくれたおかげで、部隊派遣のハードルがぐっと下がった。朝鮮日報も「今回の決定は日本の戦略をベンチマークした(見習った)もの、という評価も出ている」と報じた。(編集/日向)

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