中国がレアアース輸出規制を示唆、オーストラリアは市場の空白を埋められるか―シンガポール紙

中国がレアアース輸出規制を示唆、オーストラリアは市場の空白を埋められるか―シンガポール紙

シンガポール紙ストレーツ・タイムズはこのほど、「中国がレアアース輸出規制を示唆、オーストラリアは市場の空白を埋められるか」とする記事を掲載した。資料写真。

星島環球網は2019年6月30日付で、シンガポール紙ストレーツ・タイムズが23日、「中国がレアアース輸出規制を示唆、オーストラリアは市場の空白を埋められるか」とする記事を掲載したことを紹介した。以下はその概要。

米国との貿易戦争の一環として、中国がレアアース(希土類)の輸出規制を示唆すると、世界第2の生産量のオーストラリアがその空白を埋められるかどうかにスポットライトが当たっている。

中国は長い間、世界のレアアース市場を支配し、昨年は世界生産量の7割以上を占めた。レアアースは、地中に低濃度で存在する17種類の元素の総称で、スマートフォンやカメラなどの家電から、飛行機や無人機などに至る幅広い製品に使われる。

中国の当局とメディアは最近数週間、レアアースの輸出規制を示唆している。これは、米国による中国からの輸入品に対する追加関税と中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の禁輸リスト入りに対する報復とみなされている。中国の国家発展改革委員会は先週、レアアースの輸出規制を検討していることを認めた。

中国の脅迫は、レアアース資源が豊富な他の国、特に世界の供給の約12%を占めるオーストラリアが供給を増やすことができるかどうかについて疑問を投げ掛けている。オーストラリアは世界で6番目に多い保有量で知られており、多くが未開発のままだ。

米国の国防当局はすでに、オーストラリア当局に接触し、レアアース供給の確保について協議するよう求めたと伝えられている。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューによると、この問題は、スコット・モリソン首相が議長を務め、主要な外交政策と安全保障の決定を検討する国家安全保障会議(NSC)で議論されてきた。リンダ・レイノルズ国防相は先週、メディアとのインタビューで、「閣僚らはレアアースとその戦略的重要性について議論してきた」とした上で、「われわれは、レアアース資源へのアクセスを必要とするすべての人がそれらへのアクセスを得ることができることを確実にする方法を検討している。新エネルギーや電池、新技術に対する重要性を考慮すると、レアアース資源の確保は、オーストラリアと米国、そしてヨーロッパや韓国、日本にとって戦略的に重要な課題となっている」と発言している。

レアアース生産は高コストで環境に有害なため、多くに国にとってアクセスが困難だ。オーストラリア政府は最近数カ月、国内のレアアース産業への投資を呼び込むため、貿易代表団を海外に派遣してきた。今年3月には重要鉱物の探査と加工を奨励する計画を発表している。

オーストラリアのレアアース大手ライナスは、中国以外では数少ないレアアース生産企業であり、米ブルーライン社と提携してテキサス州にレアアース分離精製工場を建設する計画だ。5年前から同社のCEOを務めているアマンダ・ラカーズ氏は今月、ブルームバーグに対し、同社が米国防総省と提携に関する話し合いを行ってきたことを明らかにしている。

他のオーストラリア企業もまた、国内でレアアースプロジェクトに着手している。ノーザンテリトリーで11億豪ドルのプロジェクトを開発しようとしているArafura Resourcesもその一つだ。

しかし、パースUSAsiaセンターの国際貿易専門家、ジェフリー・ウィルソン氏は、「中国へのレアアース依存を解決するために他の国を見つけるという米国の努力は、得より損の方が大きいだろう。加工施設の開発には何年もかかるだろうし、中国がレアアースにおける支配的な地位を失うことを恐れるなら、もっと早く『レアアース兵器』を配備することを奨励するかもしれない。中国以外の国々がレアアースの採掘だけでなく、それらの精製と加工にも焦点を当てることが重要だ」と指摘している。(翻訳・編集/柳川)

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