リビアで無人機が目撃=中国製WL-2か、中国メディアが異例の白昼飛行を分析

リビアで無人機が目撃=中国製WL-2か、中国メディアが異例の白昼飛行を分析

内戦が続くリビアの上空で、中国製WL-2無人偵察・攻撃機とみられる航空機が撮影された(写真)。中国メディアの新浪網は、同機の異例の昼間飛行や安全確保の手法を分析する記事を掲載した。

内戦が続くリビアの上空で最近になり、中国製WL-2(翼龍2)無人偵察・攻撃機とみられる航空機が撮影された。中国メディアの新浪網は2019年7月3日付で、同機の異例の昼間飛行や安全確保の手法を分析する記事を掲載した。

WLシリーズは中国の成都飛機研究所が開発した無人機で、初飛行は2007年。機体を大きくし、エンジンも換装して実用上昇高度や速度、航続距離を改善したWL-2は2007年に初飛行した。WLシリーズは中国が100機以上を保有する以外に、エジプト、カザフスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ウズベクスタンに輸出された。ナイジェリアも購入を決めたとされる。パキスタンについては公開されていないが、2016年に墜落事故を起こし機体が目撃されたことから、保有が確実視されている。

リビアは2011年の内戦でカダフィ―政権が崩壊。その後、政情が極めて不安定になり、2014年には内戦状態になった。現在は、国連の支援を受けて発足し、西部のトリポリを拠点とする国民合意政府(トリポリ政府)があり、東部にはトブルクを拠点とする国民代議院政府(トブルク政府)がある。さらにISIL(イスラム国)やアルカイダ系の過激派も勢力を伸長させ、極めて複雑な様相を示すようになった。

トリポリ政権にはイスラム過激派との結びつきがあるとされる。トブルク政権・リビア国民軍(LNA)のハタフル司令官は、「首都(トリポリ)からテロリストを掃討する」と主張し、トリポリ攻撃を開始した。アラブ首長国連邦は、LNAを軍事支援している。北アフリカでのイスラム過激派の台頭を抑止する思惑とされる。

新浪網によると、リビア上空で撮影されたのは、UAEが使用するWL-2とみられる。これまでUAEはWL-2を主に夜間に飛行させてきた。自らの軍事力投入の度合いを知られたくなかったためで、昼間に出動させる場合には、極めて高い高度での飛行に限定していたという。

新浪網は、WL-2を白昼に、かなりはっきりとした撮影が可能である低い高度で飛ばした理由を、最近になり戦況がLNAにとって不利になってきたので、アラブ首長国連邦の支援を誇示して、軍の士気を高めるためと分析した。

WL-2の前身であるWL-1には2基のハードポイント(機体外懸架装置)しかなく、LJ-7(藍箭7)空対地ミサイルを2発しか搭載できなかった。LJ-7は中国人民解放軍が運用するAKD-10を輸出仕様にしたミサイルで、重量は40キログラムで全長は177.5センチメートル。有効射程は7キロメートルで、戦車その他の装甲車両、レーダー施設、ミサイル発射装置、火砲陣地などを破壊できるとされる。

WL-2は機体を大型化したなどで兵器の最大搭載量が大幅に増えた。LJ-7ならば12発を搭載できる。大型兵器としては250キログラムの爆弾も搭載可能という。リビア上空を飛行中に撮影されたWL-2は、LJ-7と見られるミサイルを8発搭載していた。

新浪網によると、リビア内戦に投入されている兵器で、WL-2にとって最大の脅威になるのは、中国製のFN-6携帯式防空ミサイルという。ただしFN-6による攻撃が可能なのは高度3800メートルまでで、それ以上の高度で飛行すれば、WL-2の安全は保たれるという。(翻訳・編集/如月隼人)

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