貿易戦争、米中は未来の覇権争い、日韓は過去の清算―華字メディア

貿易戦争、米中は未来の覇権争い、日韓は過去の清算―華字メディア

7日、日本の華字メディア・中文導報は米国と中国、日本と韓国の貿易摩擦についての見解を述べたコラムを掲載した。写真はソウルの慰安婦関連展示。

2019年8月7日、日本の華字メディア・中文導報は中国と米国、日本と韓国の貿易摩擦についての見解を述べたコラムを掲載した。以下はその概要。

G20大阪サミットの期間中、米中両国間の貿易摩擦には一時停止ボタンが押されていたが、8月1日にトランプ米大統領は、現時点で制裁関税の対象となっていない中国からの輸入品3000億ドル(約32兆2300億円)相当に、9月1日から10%の追加関税を課すと発表した。同様に日本も韓国に半導体材料の輸出規制について、2日に韓国をホワイト国(輸出管理優遇措置対象国、「グループA」に名称変更)から除外する閣議決定をした。

トランプ大統領は貿易や関税を外交と結び付け、政治目的を達成する武器としている。東アジアにおいては、日本の安倍首相がトランプ大統領のように経済制裁の手段で政治問題に対処し、民意の支持も得ている。日韓と米中の貿易戦争は「異種同形」の関係になっている。

ただし、米国の圧力に対する中国経済の抵抗力について評価しなければならない。7月12日に中国税関総署が発表したデータによると、今年上半期の中国の対外貿易輸出入総額は14兆6700億元(約234兆7200億円)で、前年同期比3.9%増となった。対米国貿易総額は9%減ったが、対EU貿易が11.2%増、対東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との貿易総額が10.5%増となったほか、ロシア(11.5%増)、サウジアラビア(34%増)、エジプト(11%増)との輸出入額が増加している。税関総署の李魁文(リ・クイウェン)報道官は2019年上半期の貿易について、「貿易摩擦について、一定の影響はあるが全体的にはコントロールされていた」との見方を示した。

中国と比べると、韓国経済はまるで日本の重いパンチに「目から星が出ている」ような状態だろう。韓国銀行は1月下旬に予測した実質GDP成長率2.6%を、4月下旬に2.5%へ下方修正している。また3月の半導体輸出総額は前年比で16.6%減り、サムスン電子の第1四半期(1〜3月)の営業利益は直前の四半期より42.6%減少し、前年同期比では60.4%減の6兆2300億ウォン(約5500億円)だった。日本が輸出規制を公表した7月以降、韓国株式市場では株価下落が著しく、サムスン電子は時価総額が約16兆ウォン(約1兆4700億円)、SKハイニックスは約1兆5000億ウォン(約1300億円)縮小した。米国の投資銀行「ゴールドマン・サックス」は7月14日にアジア地域経済報告書を通じ「半導体生産が10%減ると、韓国の国内総生産(GDP)は0.4%、経常黒字が100億ドル(約1兆600億円)減少するだろう」と予想した。

国際社会の新たな秩序を再編する上で、第二次大戦後の国際秩序の中心だった米国に、新興国である中国が挑戦したのが米中貿易戦争の要因で、未来のための避けられない宿命の戦いである。しかし、日韓の貿易摩擦の原因は過去の歴史の精算によるもので、米中の貿易戦争と比べるとスケールは明らかに小さい。いずれにせよ、貿易や経済力により政治や外交の目的を果たすやり方は、経済用語でいう「ブラック・スワン(めったに起こらないが、発生すると壊滅的な被害を引き起こす極端な現象)」を「灰色のサイ(発生する確率が高い、潜在的なリスク)」に変え、リスクを大きくしてしまうだけだろう。(翻訳・編集/原邦之)

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