中国に「J-8戦闘機でも米F-22に対抗できる」説、中国メディアが「笑える」と指摘

中国に「J-8戦闘機でも米F-22に対抗できる」説、中国メディアが「笑える」と指摘

中国メディアの捜狐は、これまで時おり話題になった「(中国の)J-8戦闘機はF-22戦闘機に対抗できる」との主張を「伝説」「笑える」と批判する記事を掲載した。写真はJ-8戦闘機。

中国の軍事ファンは時おり、自国の兵器が驚異的な能力を持つなとどとする「トンデモ説」で盛り上がることがある。中国メディアの捜狐は2019年9月21日付で、これまで時おり話題になった「(中国の)J-8(殲8)戦闘機はF-22戦闘機に対抗できる」との主張を「伝説」「笑える」と批判する記事を掲載した。

J-8は中国が旧ソ連のMiG-21を国産化したJ-7の発展型で、初飛行は1969年7月で、運用開始は80年だった。初期タイプは2011年に退役したが、84年に初飛行、88年に運用を開始した改良タイプのJ-8IIは今も現役だ。

記事は、「J-8はF-22に対抗可」とする説は2000年代の早い時期に出現していたと紹介。同説が言うJ-8は、J-8IIであるはずだと論じた上で、両者を比較した。

まずは、(1)J-8IIがF-22の位置を知り、(2)高速で接近し、(3)F-22に接近を気づかれることがなく、(4)J-8IIがF-22をレーダーでロックできれば、「理論上」はF-22を撃墜することが可能と紹介。

その上で、実際の状況を考えるとして、まず「J-8IIがF-22が単純に一対一で戦った場合」を想定した。記事は比較の冒頭で「戦闘結果は非常に悲惨なもの」と主張。まずは、F-22はJ-8IIを容易に発見できるが、J-8IIはF-22を発見できないと指摘。さらに「J-8IIはF-22に対抗」説が出た2000年代初期には、J-8IIが搭載していた空対空ミサイルのPL-11の性能はF-22が搭載するAIM-120ミサイルよりも全面的に劣っていたと論じた。

また、仮にJ-8IIはF-22が近距離でとっさに遭遇したとしても、J-8IIの機動性能と搭載していた短距離空対空ミサイルのPL-11では、搭乗員がJHMCS(統合ヘルメット装着式目標指定システム)を装着し、新型空対空ミサイルのAIM-9を搭載するF-22に「勝ち目は全くない」と主張した。

J-8IIがF-22対抗するには、高空高速性能を生かしてF-22を奇襲し、ただちに離脱すればよいという説もあったという。記事は、「まずは、J-8IIの最高速度はマッハ2を超えるが、エンジン性能をフルに使った場合であり、短時間しか達成できない」と指摘。

記事は直接書かなかったが、J-8IIはジェットエンジンの排気に改めて燃料を吹き付けて燃やすアフターバーナーを利用して初めて、マッハ2以上を達成できることを指すと理解できる。アフターバーナーを使えばエンジンの推力を大幅に向上できるが、燃料消費が極めて大きくなるため、通常は短時間しか使用できない。

一方のF-22はアフターバーナーを使わずとも超音速での飛行が可能だ。記事は、J-8IIは航程の大部分を音速以下で飛行するしかないと指摘。最高速度はF-22を超えるが、結局は超音速で楽々と飛ぶF-22の速度に対抗することはできないと指摘した。

記事はこれらの理由により、「J-8でF-22に対抗する」との考え方は「笑えるものだ」と主張。中国の戦闘機でF-22に真に対抗できるのはJ-20だけと紹介し、J-20の相手機探知能力は初期のF-22を上回っていると主張した。

ただし、J-20の(アフターバーナーを使わない)超音速巡行能力はまだ完全ではないとして、目標を達成できるエンジンを早期に搭載することが望まれるとした。

「目標を達成できるエンジン」とは、J-20に搭載することを目的に開発が着手されたが、完成が大幅に遅れたWS-15(渦扇15)ターボファンエンジンを指すと考えられる。(翻訳・編集/如月隼人)

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