日中関係の全面的な改善まであとどれくらいかかるか―中国専門家

日中関係の全面的な改善まであとどれくらいかかるか―中国専門家

中国紙・環球時報は31日、日中関係改善の行方について、南京大学国際関係研究院院長の朱鋒氏の意見を紹介する記事を掲載した。資料写真。

中国紙・環球時報は31日、日中関係改善の行方について、南京大学国際関係研究院院長の朱鋒(ジュー・フォン)氏の意見を紹介する記事を掲載した。

朱氏は、昨年の日中韓首脳会談以降、日中関係が改善しており、来春には習近平(シー・ジンピン)国家主席の訪日がほぼ決定したほか、日中のハイレベル交流の再開など、良い傾向が見られていると紹介。しかし、12年の尖閣諸島をめぐる問題以降冷え込んだ日中関係の全面的な改善にはまだ時間がかかると指摘した。

その上で朱氏は、保護貿易の台頭など国際情勢が大きく変改している今、世界第二と第三の経済体である日中が協力することはますます重要になっていると主張。日中間の経済面での交流はすでに活発になっており、昨年までに日中の貿易額は3000億ドル(約32兆6370億円)を超え、日中の直行便は週に1000便以上あり、今までにないほど日中間の関係が密接になっているという。また、米国による貿易戦争で日本も損失を被っており、日中は「共に傷を受け、共に益を得る」関係になっていると論じた。

しかし、日本の対中戦略にはいまだに「二面性」があるとも分析。日本企業による中国への投資を奨励し、米国とは一線を画しているが、一方で中国を排除し敵視する政策も続けているという。例えば、日本はオーストラリアと同じく早くから5G建設で中国の華為技術(ファーウェイ)を排除したほか、最新の日本の防衛白書でも中国の軍事的脅威を強調していると指摘した。ほかにも、尖閣諸島問題での反中的な言動を控える一方で、南シナ海での軍事演習参加を強化したりと、二面性のある行動をしていると論じた。

そのため朱氏は「日中関係改善のためには、引き続き力を入れて互いに適応性を強化する必要がある」と主張。「日中間に存在する相違と争点を避ける必要はなく、これはむしろ日中関係改善のための直接的な目標」で、「中国の平和的台頭と地域の繁栄や平和に対して中国が責任ある態度を示すことは、日本が中国を信頼する上での助けとなる」と論じた。

さらに「日中は共に競い、協力できる関係」であり、「相互提携」の関係とすべきだと主張。日中関係は最も複雑かつ繊細な関係ではあるが、問題点ばかり取り上げるのではなく、互いに理解し尊重し、「日本に対する新たな心持ち」が必要だと論じた。

別の点として「日中は戦略的な自信と力を有すべき」と指摘。日中関係は日米関係の影響を大きく受けるものの、中国は適切に対処することで日米関係にずっと引っ張られることを回避できるとし、「日本がアジアや世界での影響力を強めたいと考えるなら、いかにして中国を理解して尊重し、対中戦略への自信を培うかについても日本はさらに一歩踏み出すべきであり、そうすれば、尖閣諸島問題であっても話し合うことができる」と主張した。そして、「将来の日中関係について焦ってはならないが、新たな行動が必要だ」と結んだ。(翻訳・編集/山中)

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