自由貿易協定RCEP、インドが心変わりしたのはなぜか―中国メディア

自由貿易協定RCEP、インドが心変わりしたのはなぜか―中国メディア

6日、新京報は、インドがRCEP交渉から離脱した理由について、広西民族大学東盟学院の葛紅亮副院長による分析を紹介する記事を掲載した。資料写真。

2019年11月6日、中国メディアの新京報は、インドが東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉から離脱した理由について、広西民族大学東盟学院の葛紅亮(ガー・ホンリアン)副院長による分析を紹介する記事を掲載した。

まず葛氏は、11月4日のRCEP首脳会合で、インドを除く15カ国が来年の署名を目指して作業に入ることで合意したことを紹介。インドが離脱した理由について分析した。

葛氏によると、インドにとって東アジアとその他のアジア太平洋地区は、重要な資金源であると同時に潜在的な市場であり、インド経済の発展に重要な役割を果たすものの、「アジア太平洋市場の重要性を知っているということが、この市場に入れることを意味するわけではない」と指摘。インド国内にはこれまで積み重なってきた経済体制の問題があり、経済改革の効果がなかなか現れていないため、工業発展が思うように進んでいないという問題があるという。

そして、工業面での遅れがインドとアジア太平洋市場との貿易額に表れており、例えば、対中貿易がASEAN(東南アジア諸国連合)の総貿易額に占める割合は12%だが、対印貿易はわずか約3%を占めるにすぎないと指摘。18年から19年にかけてインドは、RCEPの加盟国のうち11カ国に対して貿易赤字であり、「これは、インドが東アジア地域の経済一体化の過程において果たす役割は微々たるものであることを示している」と論じた。

別の理由として葛氏は、「政治的な理由」もあると分析。インド最大野党の国民会議派が強く反対している中で、与党もRCEPへの署名と引き換えに、農家や酪農生産者、漁師、中小企業の利益を放棄することはしなかったと指摘した。これは、こうした人々が選挙権を持っているからで、インドとアジア太平洋との長期的な関係よりも、選挙対策という眼前の利益を重視せざるを得なかったと分析した。

ポールソン研究所のエバン副所長は、インドが国内の経済改革と工業化の発展という課題を克服できれば、インドにはチャンスをつかむ機会があるとの見方を示していると葛氏は紹介。インドのRCEP離脱は「インドが懸念する問題や関心事が解決できなかったというよりも、インドはまだ準備ができていなかったという方が適切」だと論じた。そして、この先準備が整うかどうかは不明としつつも、「今回の離脱でインドが後れを取ることは間違いない」と結んだ。(翻訳・編集/山中)

関連記事(外部サイト)