<即位後の課題(下)>天皇制、このままでは自然消滅も=危機回避へ国民の7割超が「女性天皇」支持、自民党幹部からも容認論

<即位後の課題(下)>天皇制、このままでは自然消滅も=危機回避へ国民の7割超が「女性天皇」支持、自民党幹部からも容認論

日本の皇統は断絶の危機に直面。皇位継承権者はわずか3人となった。女性皇族の結婚などで皇室全体も縮小している。今後皇統をどのようにつなぎ、安定した形で維持するかが課題となる。写真は英国留学時代の天皇陛下(1983年8月、エディンバラ城で=筆者撮影)。

日本の皇統は断絶の危機に直面している。このままでは日本の象徴天皇制は自然消滅してしまう。天皇陛下の即位に伴い、皇位継承権者はわずか3人となった。女性皇族の結婚などで皇室全体も縮小している。皇統をどのようにつなぎ、将来にわたって皇室を安定した形で維持するかが課題となる。

皇室典範は「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定め、皇位継承権者を男系男子に限定する。現在の皇位継承者は順に(1)秋篠宮さま<54歳>)(2)悠仁さま<13歳>(3)常陸宮さま<83歳>――の3人で、このままでは先細りとなる。2005年11月、当時の小泉純一郎首相が設けた「皇室典範に関する有識者会議」が、女性天皇や母方が天皇の血筋を引く女系天皇を容認する内容の報告書をまとめたが、翌2006年2月に秋篠宮妃紀子さまが悠仁さまを懐妊されたことが明らかになり、議論はしぼんだ。

旧民主党政権下の12年10月には当時の野田佳彦内閣が、結婚後も女性皇族が皇籍を維持する「女性宮家」の創設案を軸とする論点整理を公表。これは同年12月の衆院選で自民党への政権交代があり、議論は宙に浮いている。上皇さまの退位に当たり17年6月に成立した皇室典範特例法は、付帯決議で「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」を代替わり後に検討し、国会に報告するよう政府に求めている。

女性宮家は女性皇族が結婚後も皇室にとどまるもの。皇族数減少への対策となるが、皇位継承を男系男子に限る現行制度では、皇位継承者の確保にはつながらない。政府は今後、本格的な議論に着手するが、保守勢力は女性天皇に反対している。

こうした中、自民党幹部から女性天皇容認論が出始めた。11月下旬に、甘利明税制調査会会長が民放テレビの番組で「男系を中心に順位を付け、最終的選択としては女系も容認すべきだ」と発言。二階俊博幹事長も「男女平等、民主主義の社会を念頭に置いて考えれば、おのずから結論は出るだろう」と、女系天皇を排除しない考えを示した。

◆7割超が女性天皇制を是認、期待される悠仁さまと愛子さま

皇室典範上の皇位継承順位とは別に、次世代の皇室の継承者として国民から期待されるのは悠仁さまと愛子さまのお二人。政府は皇位継承資格を男系男子に限っていることについて国会で「男系継承が古来例外なく維持されてきたという我が国の伝統を踏まえたもの」と答弁している。しかし、これは男系か、母方だけに天皇の血をひく女系かという点についての答弁であって、愛子さまのような男系の女性天皇の否定にはならない。男系の女性天皇は日本の歴史に例があり、政府の国会答弁は「男系」女子の愛子天皇を過去一度も否定していない。

男性天皇の継続は「男女共同参画」の風潮にも逆行する。世界の王室に比べ日本の男子に限る継承制度は異例で、男系の長子が男女を問わず継ぐことがわかりやすいとの声は根強い。各種世論調査では70%以上が女性天皇制を支持している。日本の歴史上、女性の天皇は推古天皇や持統天皇10代、8人存在しており、皇室の伝統を維持するためにも新たな時代へ踏み出すべきだろう。

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