「傲慢」「言うべきこと」、ハリス駐韓米大使の北朝鮮個人旅行「待った」発言、韓国紙の論調分かれる

「傲慢」「言うべきこと」、ハリス駐韓米大使の北朝鮮個人旅行「待った」発言、韓国紙の論調分かれる

韓国の文在寅大統領が提唱した北朝鮮への個人旅行に「待った」をかけたハリス駐韓米大使の発言をめぐり、韓国各紙の論調が大きく分かれた。写真は北朝鮮。

韓国の文在寅大統領が提唱した北朝鮮への個人旅行に「待った」をかけたハリス駐韓米大使の発言をめぐり、韓国各紙の論調が大きく分かれた。左派系のハンギョレ新聞は「傲慢(ごうまん)極まる主権侵害」と非難。保守系の中央日報は「言うべきことを言った」と理解を示した。

北朝鮮個人旅行は停滞している南北交流を少しでも進めたいとの趣旨。これについてハリス大使はソウル駐在の外国特派員らとの会見で「韓国が制裁を触発する可能性がある誤解を避けるためには、南北協力のためのいかなる計画も米国との作業部会を通じて協議した方がいいと思う」と語った。「制裁順守」を呼び掛け、個人旅行にもブレーキをかけた形だ。

ハリス大使の発言に対し、韓国大統領府(青瓦台)、政府、政権与党などは一斉に反発。朝鮮日報などによると、青瓦台関係者は「非常に不適切。南北協力に関する部分はわが政府が決める事案」と指摘し、韓国統一省の李相旻報道官は「対北朝鮮政策は大韓民国の主権にかかわるもの」と述べた。与党「共に民主党」の宋永吉議員はラジオ番組のインタビューでハリス大使を「朝鮮総督」に例えた。

ハンギョレ新聞は青瓦台などに呼応して「傲慢極まりないハリス大使の主権侵害発言」との社説を掲載。「個別観光は国際制裁に抵触せず、米国の承認も必要ない。個別観光を推進する過程で米国に説明して理解を求めることはできるが、基本的に米国がああしろこうしろと言う事案ではない。米政府でもない駐在国大使が『制裁』という敏感な単語まで使ってこの問題に割り込むのは内政干渉だという批判を自ら招くことだ。ハリス大使は越権的で傲慢な発言について韓国国民に謝罪すべきだ」と主張した。

同時に「政府は南北関係の改善が朝米対話を促進することができるという点を米国に理解させ、南北協力事業を揺らぐことなく推進しなければならない」と強調。「特に私たちの主権に関連する問題には、米国が過度に介入することができないよう、はっきりと線を引かなければならない」との論陣を張った。

一方、中央日報は「ハリス大使は言うべきことを言った」と発言に同意。「団体にしろ個人にしろ、北朝鮮観光を許可するとなれば金正恩政権に莫大(ばくだい)な資金が流れていくことは明らかなためだ。これは経済制裁によって北朝鮮を圧迫し、核兵器を諦めさせようという国際社会の共助に逆行するようなことだ」と説明した。

さらに「まずいのはハリス大使の口ひげや母親が日本人である点を問題視して『親日フレーム』をかぶせて攻撃する幼稚なやり方だ」と言及。「海外では口ひげを生やすことはただの個人の好みの問題で、特別なものでは全くない。それでもこれを日帝総督を連想させると主張することは、世界的な笑い者の種になるには十分だ」と批判した。(編集/日向)

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