<コラム>日本も丸裸にされている!中国の不思議な複合アプリ「小紅書」とは

<コラム>日本も丸裸にされている!中国の不思議な複合アプリ「小紅書」とは

中国のネットメディアは「小紅書」の分析に力を入れている。KOLマーケティング、口コミ、越境Eコマース、そのいずれにも大きな影響力を持つ、不思議な複合アプリだからだ。

中国のネットメディアは「小紅書」の分析に力を入れている。KOLマーケティング、口コミ、越境Eコマース、そのいずれにも大きな影響力を持つ、不思議な複合アプリだからだ。さらに消費の主役、女性陣から絶大な支持がある。日本旅行中の中国人女性は、必ずこのアプリを開き、情報源として利用している。生きた観光地情報が多数アップされているからだ。日本は小紅書で、丸裸にされているのである。

つまり企業にとってもマーケティング上、欠かすことのできない存在だ。さまざまな分析記事の中からいくつか紹介し、2020年の小紅書を展望してみよう。

●小紅書の来歴と現在位置

小紅書は、社区(コミュニティ)において、海外商品の買い物経験、情報をシェアする活動からスタートした。やがて情報は、観光全般、スポーツ、不動産など広範囲に拡大した。これらの情報データを基に2014年、小紅書福利社、というサイトを立ち上げる。小紅書は、豊富な情報から、推奨商品とその最適ルートを提示できた。やがて、これらの利点を活かしつつ、独自の越境Eコマースを構築していく。最初から口コミとネット通販の複合形態だったのである。

越境ECプラットフォームとしての業界シェア(2018年上半期)は、7.3%で第5位に位置している。ユーザーは、女性73.2%、男性26.8%、30歳以下86%。さらに一線級都市(北京、上海、深?、広州)とそれに次ぐ新一線級都市の住民が54%を占めている。大都市の若い女性という、最も華やかな層から高い支持を得ているのだ。それを物語るデータもある。

化粧品メディアの「聚美麗」は、KOL(Key Opinion Leader)マーケティングの実態調査を行った。以下は化粧品会社の思い浮かべるアプリのランキングである。

小紅書…24.1%、Tik Tok…18.3%、Wechat…14.8%、淘宝直播…13.0%、微博…11.9%、B站…7.8%、快手…7.5%、の順となった。

小紅書は、真っ先にイメージする存在なのだ。

●小紅書のアドバンテージ

小紅書のアドバンテージ分析を見てみよう。モバイルオンラインの発達により、人々の時間は断片化した。その中で生き、その限られた時間の中で消費活動を行っている。断片化された時間は、ますますコンテンツ消費に使われるようになる。以下の4点を挙げている。

1.速やかなブランディング構築とその強化が可能。
2.顧客グループの強い購買力。
3.低いコスト。
4.高いコンバージョン(Webサイトにおける最終的な成果)。

従来型の単一化され、ただ推奨するだけの広告では、若者層への理解と訴求は不十分で、、無感動のまま終わってしまう。小紅書の“コンテンツ+ネット通販”モデルは、そうした弱点をカバーしている。コンテンツによって、視覚と情感の“共鳴”する体験を提供することが可能だ。これはさらに多くの共鳴の輪を生む。

●小紅書の運営政策

次は小紅書の運営にスポットを当てた分析である。やはり4つのポイントを挙げている。

1.小紅書は手軽な“本”を目指す。ネット通販を“棚”に例えると小紅書のコンテンツは“本”だ。棚に分け入らなくても、気軽に手にできる。口コミ、通販、いずれでも十分だ。
2.2019年5月、小紅書はKOLに対し、MCN(Multi-channel Network、動画投稿者のマネジメント、サポート組織)との契約を必須とした。KOLの質を確保するためである。
3.その一方、直接ライブ配信に乗り出した。そこでは厳選されたKOLを使用する。
4.ブランド、KOL、ユーザー、共同でリスクに対処し、互いの収益性を高めていく。

●まとめ

小紅書では、他にも新しい取組みを行っている。2019年1月にはオフライン店舗“REDhome”を開店、3月には、共同購入プラットフォーム“小紅店”と短視頻(ショートビデオ)アプリ“Hey”をスタートした。その一方7月から10月にかけて77日間、小紅書アプリは、ダウンロード不能となった。政府の指摘を受け、有害アカウントを排除していたとみられる。

再開後のユーザー数は、すぐに元通り回復し、11月のMAUは1億超え、平均DAUは2500万である。小紅書にとって2019年は、自主点検の期間だったといえる。整備点検を終えて、リスタートするステージとなった。

すでに日本のB2C企業や観光地にとって、小紅書での高評価は、収益に直結する重大事件となって久しい。2020年、小紅書は最も注目されるアプリの座を、維持し続けるだろう。ただし話題の短視頻(ショートビデオ)アプリ「TikTok」や「快手」との争いは、激化する。

関連記事(外部サイト)