中国経済の先行きに黄信号、景況感指数は過去最低に、経済活動停滞し大気汚染レベル低下

中国経済の先行きに黄信号、景況感指数は過去最低に、経済活動停滞し大気汚染レベル低下

新型肺炎の影響で中国経済の先行きに黄信号がともった。2月の製造業景気指数は過去最悪に。さらに米宇宙航空局などによると、中国の大気汚染レベルが低下し、経済活動の停滞を裏付けた。写真は上海虹橋空港。

新型肺炎の影響で中国経済の先行きに黄信号がともった。2月の製造業の購買担当者景気指数(PMI)は2008年11月のリーマン・ショック直後を下回り、過去最悪になった。さらに米宇宙航空局(NASA)などによると、中国の大気汚染レベルが低下。経済活動の停滞を裏付けた。

中国国家統計局が2月29日発表した2月の製造業のPMIは前月より14.3ポイント低い35.7だった。リーマン・ショック直後の08年11月(38.8)を下回り、過去最低を記録した。

製造業PMIは企業で資材の仕入れを担当する人に購買状況を聞いて指数化する。50を上回れば景気の拡大を、下回れば後退を示す。今回の35.7は市場予想の46程度を大きく下回った。35.7は18年夏以降の米国と追加関税の応酬を繰り返した時期でもなかった低水準だ。

中国政府は経済の復興を進めるが、感染対策との両立が難しく、出稼ぎ労働者が職場に戻れていないという問題もあって動きは鈍い。多数の雇用を支えている中小企業は、2月26日の時点で30%超しか再開できていない厳しい現実がある。

非製造業のPMIも大幅に悪化。前月より24.5ポイント低い29.6と過去最低だった。非製造業は近年のインターネット産業の台頭もあり、統計をさかのぼれる07年1月以降、一度も50を下回ったことがなかった。2月は新型肺炎で飲食・小売り、旅行、娯楽などサービス業が強い打撃を受けていることを反映した。

一方、米CNNなどは「NASAが1日、中国で汚染レベルが大きく下がっていることを示す人工衛星写真を公開した」と報道。「新型コロナウイルス流行による経済活動の停滞が少なくとも原因の一部だろうとの見解を示した」と伝えた。

NASAが公開した衛星画像には1月1日から20日まで中国各地で高濃度の二酸化窒素(NO2)が写っていた。しかし、2月10日から25日の画像にはNO2の痕跡はほとんど見られなかった。NO2は車両や発電所、工業用施設などから排出され、せきやぜんそくなど呼吸器関連の疾患を引き起こす可能性がある。

NASAの科学者によると、当初減少が見られたのは新型肺炎の感染拡大が始まった湖北省武漢市だった。特定の出来事によってこれほど広範囲に大規模な減少が発生したのを見たのは初めてのことだったという。

中国の大気汚染は春節(旧正月)の前後には多くのビジネスが休止するため減少する傾向があるが、今年に関しては休日や天候の影響によるもの以上の減少だったとみられる。中国では新型肺炎を封じ込めるため、製造業を中心に休業が相次ぎ、工場の稼動が大きく減っている。衛星画像はこれを改めて浮き彫りにした形だ。(編集/日向)

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