コロナパンデミック、なぜ東アジアは勝利できたのか―中国専門家

コロナパンデミック、なぜ東アジアは勝利できたのか―中国専門家

16日、観察者網は、東アジア諸国が新型コロナウイルスの感染拡大をうまく抑え込むことができている理由について分析した専門家の文章を掲載した。写真は武漢の医療関係者へのハガキ。

2020年10月16日、観察者網は、東アジア諸国が新型コロナウイルスの感染拡大をうまく抑え込むことができている理由について分析した中国社会科学院世界政治研究センターの特別研究員である劉学偉(リウ・シュエウェイ)氏の文章を掲載した。

劉氏は、東南アジアも含めたアジアの東部に位置する国々について、「西洋諸国と比べると新型コロナの感染拡大をよく抑え込んでいると言える」とし、各国のこれまでの感染状況のデータを参考に「中でも優秀なのが中国、台湾、タイ、シンガポールで、第1波だけでその後は基本的にコントロールできた。香港やベトナムは第2波が起きたものの、その後ほぼ抑え込みに成功した」と伝えた。

また、「モンゴル、カンボジア、ラオス、マカオは爆発的な感染拡大が発生せず、低い数字のままであり、日本や韓国は第2波発生後も感染者が出続けているものの、西洋のように拡大はしていない」と指摘。「楽観できない状況なのはマレーシア、フィリピン、インドネシア、ミャンマーだ」とした。

劉氏は、こうしたアジアの国で西洋のような爆発的な感染拡大が続かず、抑え込みに成功している理由について「長く伝承してきた文明精神が関係している」との持論を展開。「われわれは賢くて理知的であり、注意深く、高齢者も含めて命を大事にしており、ウイルスも含めた自然に対する敬意があり、規律を守り、管理に服する」とした。また、「政府を親のようにみなし、責任転嫁せず、社会全体の長期的な利益のために個人の短期的な利益を犠牲にして、生存権の保証を優先させる」と論じている。

そして、ビッグデータの活用などほかにも要因があるかもしれないとしつつも、「これらの価値観はおおむね儒教文化にまとめることができるのではないだろうか」との見方を示した。一方で、「もちろん異なる国や政治体制において、こうした長所が画一的に発揮されるわけではない。いくつかの(東アジアの)国ではウイルス対策がうまくいかなかった。しかしそれにしても、南米や西側の先進国とくらべればずっとましだ」とした。

その上で劉氏は、「最も理解不能なのは、発展した欧米諸国がなぜ深刻な被災地になってしまったのかということ、なぜ命の根源と見なす価値、例えば自由や平等、人権、法治、民主、さらには政府に対してデモで民意を訴えることなどが、ウイルスとの闘いにおいてはポジティブな作用をもたらさなかったのかということだ」と指摘。「(欧米の国が)最強の医療資源を有していながら深刻な被災地となったことは、真剣に検証するべき課題が一つや二つではないことを示している」と論じた。

一方で、「ウイルスとの闘いは、一つの文明や体制、一つの国の主要な機能ではない。ウイルス対策に成功したからと言って、他の面でも成功するということでは決してない。西洋文明には多くの長所があり、それは長期に学んでいくに値するものだ」と結んだ。(翻訳・編集/山中)

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