<コラム>レアメタル 中国VS日本 韓国? その1

<コラム>レアメタル 中国VS日本 韓国? その1

電気シェーバーは、海外では1939年の第二次世界大戦が始まる前からあったらしい。もちろん「あった」と言うだけで、広く普及していたわけではない。

電気シェーバーを使って長い。
「100年でっか?」
「おまえなあ…」
吾輩はワンをにらみつけた。
ワンは犬だ。
なに?犬が話すのか?って?
そう、吾輩とだけ話す。このあたりは、豊かに想像して欲しい(笑)

さて、電気シェーバーを使い出したのは、中年になった頃だ。1980年代。
この電気シェーバーは、海外では1939年の第二次世界大戦が始まる前からあったらしい。もちろん「あった」と言うだけで、広く普及していたわけではない。上手く剃れないし、重いし、値段は高い。一般に男性が使用していたのは、あのT字型の安全カミソリだ。

散髪屋さんのカミソリは、自分で触るのが怖い。スパッと血が吹き出る気がする。安全カミソリは、カミソリの角度が固定されていて「安全」なのだ。無論、吾輩のように不器用な者は、それでも時折、「血を流して」いた。

「痛いでっしゃろな…」
「うん、痛い。しかし、カミソリはきれいに剃れる。でも新品じゃないと、すぐに切れにくくなる」

そこに、実用に耐える電気シェーバーが登場した。ブラウンとかフィリップスとかいう洋物だったが、日本メーカーはすぐに、世界最高水準のものを送り出した。安全カミソリ、という、吾輩には時々皮膚を切ってしまう「不安全カミソリ」より使いやすい。もちろん、現在でも改良された安全カミソリ第一という人も多い。剃り心地がいいのだそうだ。

「さあて…」
「いよいよ本題でんな」

ワンという吾輩の飼う犬が、パソコンの画面を覗き込む。
この電気カミソリ、動くのはモーターである。カミソリのヘッドの動きとか、網刃の微細加工とか技術はもちろん凄い。しかし核心は刃を動かすモーターだ。最近のものの中にはリニアモーターを使っているものがあるらしい。毎分1万数千回ストロークも動く。1万5千回として60秒で割ると、1秒に250回、肌の上を動く。

「お肌、大丈夫でっか? そのきれいな、シミの出たご主人様のお肌…」
「ワン!うるさい!」
「あ、へい…」

たしか、吾輩が子どもの頃、つまり1950年代。小型モーターはマブチであった。子どものおもちゃの自動車なんかに入っていた。もっとも高くて買ってもらえなかった。グスン…。

「あらら、ご主人はん、泣きなさんな」
「ありがとう。ワン。つい、団塊の世代の戦後を思い出してなあ。プラスチックはなく、アルミニウムは『電気の缶詰』で高価。おもちゃは高い木製品か、安いブリキだったなあ」
「その代わり、よう、外で遊んだやないですか」
「うん、お前、いつから生きているんや?」

ワンはペロリと長い舌を出した。
まあ、詮索しない。

このマブチというモーター会社は、小型モーターでは、現在は世界トップらしい。しかし当時はとても電気カミソリに使えるほどの大きさで安価なものはなかった。因みに日本人は小型化は得意らしい。

それが劇的に変化していく。モーターは磁石で動く、いま建設中のリニア新幹線も、超伝導磁石だ。電気抵抗ゼロ、発熱無しと言われるが、超伝導にするには冷却が必要である。常温での磁石も研究されている。電気を流したときだけ磁力を生じるものもあるが、永久磁石は我々におなじみだ。冷蔵庫の上に紙などをはり付けて使っている。この磁石、レアメタルを加えると性能が飛躍的に上がる。

「いよいよでんな、本題」
ワンを無視して続ける。

レアなメタルはモリブデンとかリチウム、ベリリウム、チタン、バナジウム、コバルト、ニッケル、ゲルマニウム…というものらしい。少なくていいが身体に必要なビタミンみたいなものだ。この必要不可欠なレアメタル、日本ではほとんど産出しない。

「リチウムイオン電池のリチウムって、レアメタルでんな」
「うん。リチウム電池となると身の回りから自動車、宇宙開発まで我々の生活にかかせないだろう」
「日本にはないとなると、タイトルからは中国、ひょっとして韓国にはありますんやな」

中国が世界の8、9割を産出している。レアアースを含むレアメタルは世界各地でとれるけれど、環境との兼ね合いやコスト的に中国なのだ。韓国にはない。しかし北朝鮮は元々鉱物資源が豊富でレアメタルも多いと言われている。このあたり国際関係にも影響してくる。(石川希理)

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