〈一帯一路実践談45〉最も不思議な外国人

〈一帯一路実践談45〉最も不思議な外国人

今回は記念誌『大愛無疆』の日本語版『大きな愛に境界はない』から疑問にお答えしたい。写真:1997年筆者が芝浦工業大学を新疆工学院へ紹介、後列左3が焦健氏。

レコチャとの不思議な縁で始まった「一帯一路実践談」も終わりが近づいた。一庶民の国際協力、「この人どんな人?」と思われる方もおられよう。当然の疑問である。普段の生活からかけ離れた国際協力、しかも中国の奥地で40年近く。中国でも不思議に思われている。

そこで今回は新疆政府「小島氏新疆訪問30周年記念大会」の一環で出版された記念誌『大愛無疆』(韓子勇新疆文化庁書記編2011)の日本語版『大きな愛に境界はない』(趙新利早稲田大学博士訳・日本僑報社2013)から疑問にお答えしたい。その中の焦健氏(新疆大学国際文化交流学院院長など歴任)が記した「最も不思議な外国人」から「変人」ぶりを抜粋。

「私と小島さんとは数十年の老朋友である。仕事の関係で外国友人も多いが、先生のように不思議な外国人は少ない。どうして新疆に貢献するのかと聞くと『人のために生きることを人生と言う。人が幸せになるのが自分の最高の幸せだ』と。どうして中国人にとっても馴染みの少ない、そして日本からはるか離れた新疆を貢献する場所として選んだのかと問うと『新疆各族の人々の情熱と素朴な心、数多くの世界的文化遺産に魅せられた』と答えた。文化遺産の調査保護研究や新疆大学奨学金などに大量の資金を提供した。訊ねると『お金が無いとは言えないが、有るとも言えない。給料・退職金・銀行借入金だ』と。生活は慎ましく、公園でホームレスから食料をもらったこともあるとか」
「大金を寄付できる人なのに、ビジネスクラスでなくエコノミーで新疆へ来る。名古屋にいた頃は借家に住んでいた。新疆政府外事弁公室の劉宇生副主任が家を訪ねたら窓も閉まらず冷たい風がビュービューと吹き込んできて驚いたそうだ。小島奨学金の毎年の授与式で、学長が小島さんの補修だらけの頭陀袋を持ち上げ、節約する『小島精神』を学ぶように呼びかけている。学生たちは感激し、授与式が終わると先を争って証書にサインをいただく。受賞できなかった学生は自分の本を持ってきてサインを頼む感動的な場面だ」
「新疆にこれほど貢献してきた小島さんだが、皆と列に並んで搭乗手続きをする。自治区政府文化顧問であるが、『自分は指導者でも幹部でもない。一庶民』と言う。沙漠で1カ月調査する時も手荷物ひとつだけ。中国語は度々新疆へ来るので、耳で覚えた。宴会ではいつも中国語で雰囲気を盛り上げる。朗らかでユーモラスな人だからだ。義理と人情を重視し、頭陀袋には『誠』のストラップがついている。武士道の『義・勇・仁・礼・誠』の一部という」

「24歳で起業した会社をどのようにして上場企業に育てたのか? どうして54歳で退任したのか? どうして僧侶になったのか? どうして新疆に30年も貢献してきたのか?」など不思議と思われている事項が続いているが、スペースの関係でこの辺で。(小島康誉)

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