福島原発処理水の海洋放出、「反対しない」発言で釈明に追われる韓国外相、与党からも叱責

福島原発処理水の海洋放出、「反対しない」発言で釈明に追われる韓国外相、与党からも叱責

福島第一原発処理水の海洋放出をめぐり、「IAEAの基準に従うなら反対しない」と発言した韓国の鄭義溶外相が釈明に追われている。与党からも「国民の情緒とは違う」などの叱責が相次いでいる。

福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出をめぐり、「国際原子力機関(IAEA)の基準に従うなら反対しない」と発言した韓国の鄭義溶外相が釈明に追われている。韓国メディアは与党からも「国民の情緒とは違う」「無気力に対応した」などの叱責が相次いでいると報じた。
聯合ニュースなどによると、日本政府の海洋放出決定を受け、韓国の文在寅大統領は14日、2月に着任した相星孝一駐韓大使から信任状を受け取った席で「地理的に最も近く海を共有している韓国の懸念は非常に大きい」と表明。放出差し止めに向けた暫定措置も含め、国際海洋法裁判所(ドイツ・ハンブルク)への提訴を検討するよう指示した。
鄭外相も17日に韓国を訪れた米国のケリー気候変動問題担当大統領特と会談。海洋放出決定に対する韓国側の「深刻な憂慮」を伝え、日本がより透明な情報公開をするよう米国の協調を要請した。韓国国内はメディアを含め「反対」一色で、ソウルの日本大使館前では市民団体などが連日、抗議集会を開いている。
ハンギョレ新聞によると、ケリー特使は18日、ソウル市内のホテルで開かれた国内外メディアの記者懇談会で「韓国の懸念を共有するのか」と問われたのに対し、「重要なのは何よりも実行だ。米国は日本政府がIAEAと完全な協議を行い、IAEAが極めて厳格な(汚染水処理および放出の)手続きを用意したものと確信している」と答えた。
これを受け、鄭外相は19日の国会質疑で、「米政府も汚染水の放出問題はIAEAの適合性判定を受けるべきだという基本原則はわれわれと同じ」「IAEAの基準に合う適合な手続きに従うならあえて反対しない」と答弁。その上で「反対するというよりは国民の健康と安全を最優先にしながら、日本に三つ程度を一貫して要請している」と説明し、「一つ目は十分な科学的な根拠提示と情報を十分に共有すること、二つ目はより十分に事前協議を行うこと、三つ目はIAEAの検証へのわれわれの専門家か研究所代表の参加保証」と述べた。
こうした発言に対し、20日の国会外交統一委員会で与党「共に民主党」議員は「国民の情緒や要求と違い、混線を招く憂慮がある」と批判。別の与党議員も「日本の汚染水放出を防げないということを前提とし、無気力に対応した」と指摘した。
身内の与党からの反発に鄭外相は「メディアが(発言の)一部分だけを切り取って報道した」と釈明。「メディアのヘッドライン(見出し)の書き方を非常に残念に思っている」などと火消しに走った。
一方、相星駐韓大使は海洋放出過程を検証するIAEAの調査団に韓国側の専門家が参加する案について、韓国メディアの取材に19日、「われわれ(日本政府)はそう考えているが、それはIAEAと韓国政府が協議する事項」とし、肯定的な立場を明らかにした。(編集/日向)

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