「国が第一、アイドルは第二」…中国のアイドルファンが持つ政治的影響力―米メディア

「国が第一、アイドルは第二」…中国のアイドルファンが持つ政治的影響力―米メディア

米外交専門誌ディプロマットのウェブサイトは8日、「中国の(アイドル)ファンはどのように世界で民族主義を強化しているか」とする文章を掲載した。

米外交専門誌ディプロマットのウェブサイトは8日、「中国の(アイドル)ファンはどのように世界で民族主義を強化しているか」とする文章を掲載した。中国紙・環球時報が10日付でその内容を紹介した。
文章はまず、中国で話題になったオーディション番組「創造営2021」に、候補生として中国のほかに日本やタイ、ウクライナ、ロシアなどの国籍を持つ参加者がいたことを紹介。海外でも注目を集める一方で、中国国内では「ここは中国なのだから中国語を話すべき」「われわれの言語を話すのは最も基本的な(中国への)尊重だ」といった声が上がったとし、「番組は成功を収めたが、この試みは意外な結果をもたらした。それは、中国の民族主義(愛国主義)のグローバル化だ」と指摘した。
その上で、「これは決して偶然ではない。番組は最初から中国の要素を“売り”にしていた」とし、「選考の過程で候補生らが漢服を着たり、中国伝統の絵画や書道といったパフォーマンスをしたりすることを舞台上で求められ、中国文化への理解度が試された」と指摘。「外国籍の候補生の参加は番組の国際化を実現したが、さらに重要なことは、中国の候補生と彼らに代表される中国の若者たちの“文化的な自信”を示すことだった」と分析した。
そして、こうしたナショナリズムのグローバル化を推進したのは(番組を放送した)テンセントではなく中国の視聴者たちだったとし、「その過程は、政府が実施し民衆が受け入れるといういわゆる上から下への中国式の宣伝ではない。逆に、中国のファン、視聴者、一般のネットユーザーを介して草の根的に広まった」とした。
ただ、こうした現象は新しいものではないとし、例として韓流アイドルが高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備問題により中国でボイコットされたことを挙げた。当時、多くの中国のファンが「国が第一、アイドルは第二」を掲げて、自国のアイドル推しに転向したと説明。また、「彼らはアイドルを政治的にテストしている。SNSアカウントでの発信や言動を分析し、中国の国益を損なっていないかを監視するようになった」とした。
文章は、「中国のファンはすでに多くの“戦い”に勝利している。公然と中国のレッドラインに触れる人、例えば台湾独立などを宣伝すると、ファンはすぐにその人物を十字架にかける」とし、「ファンたちは、中国に対する国際的な世論を変えることができるということを誇りに思っている。また、外国の芸能事務所も中国関連の問題に慎重になっており、エンタメ業界全体が中国の価値観を意識するようになった」と指摘した。
そして、「これは、アイドルファンは政治に左右されないという伝統的な観念とは大きく異なる」とし、「彼ら(中国のファン)は世界のエンタメ業界だけでなく、世界の政治においても重要な役割を果たすようになっている。彼らは世界の対中世論を左右することに興味を持っており、また影響力も持っているのである」と論じた。(翻訳・編集/北田)

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