インドとベトナムで感染拡大、製造業が中国に戻る可能性も―エコノミスト

インドとベトナムで感染拡大、製造業が中国に戻る可能性も―エコノミスト

上海保銀投資管理のチーフエコノミスト、張智威氏は、インドとベトナムで新型コロナウイルスの感染が拡大しているため、製造業が中国に戻る可能性があるとの見方を示している。写真はベトナムの税関。

中国のニュースサイトの観察者網によると、上海保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威(ジャン・ジーウェイ)氏は、インドとベトナムで新型コロナウイルスの感染が拡大しているため、製造業が中国に戻る可能性があるとの見方を示している。

張氏はこのほど米CNBCとのインタビューで、「米中貿易戦争により、企業はサプライチェーンを中国から移し、製品・サービスの生産・流通ネットワークをシフトした。その結果として、ベトナムやインドなどの国々は、企業が自国内に工場を設立するようになったため恩恵を受けた。パンデミックの発生前に、私たちはサムスンやフォックスコンなどの多国籍企業が中国を出てベトナムやインドに工場を設立するのを見てきた」とした。

そして、そうした状況は変わってきているとし、「フォックスコンは、インドとベトナムでの感染拡大を受け、両国内の工場の閉鎖を余儀なくされた。これによりサプライチェーンの移転がかなりの期間、保留になる可能性がある。ここでの重要な問題は、海外への渡航が停止されているため、多国籍企業がスタッフをインドやベトナムに派遣して新しい工場を設立することができないことだ」とした。

張氏は、「こうした状況が中国に利益をもたらす可能性がある。中国がどれだけの利益を得ることができるかは、インドとベトナムの感染状況がどれだけ続くかによって決まる」とし、「現在、中国の輸出の伸びは月に20〜40%だ。(インドとベトナムの)サプライチェーンが長期間途絶えた場合、(中国の)20〜30%の輸出の伸びは来年まで続く可能性がある。一方で、両国の工場がすぐに生産を復帰した場合は、中国の輸出は今年下半期に減速することになるだろう」との見方を示した。

インドの新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者は、40万人を超えていた今月初旬と比べると減少傾向にあるが、25日発表の新規感染者は19万6427人で依然として高水準にある。累計感染者は2694万8874人となっている。

ベトナムでは、5月に入ってから感染者が増え始め、現在は1日当たりの新規感染者が100人前後の日が続いている。25日発表時点での累計感染者は5404人となっている。(翻訳・編集/柳川)

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