新型コロナ発生源、波紋広げる米紙の「武漢ウイルス研」報道、バイデン米大統領は追加調査指示

新型コロナ発生源、波紋広げる米紙の「武漢ウイルス研」報道、バイデン米大統領は追加調査指示

新型コロナの発生源をめぐり、米紙が中国・武漢ウイルス研究所説を報じ、波紋を広げている。バイデン米大統領は発生源の追加調査を指示した。

新型コロナウイルス感染症の発生源をめぐり、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が米情報機関の未公開報告書を引用して中国・武漢ウイルス研究所(WIV)説を報じ、波紋を広げている。中国政府は直ちに否定したが、バイデン米大統領は発生源の追加調査を指示した。

WIVについてはトランプ前米政権が退任直前の今年1月、国務省の情報を公表。新型コロナなどの病原体を研究するWIVの複数の研究員が「新型コロナと季節性の通常疾患両方の症状」を訴え、19年秋に体調不良に陥ったとしていた。

WSJは23日、「新型コロナが本格的に広がる直前の2019年11月、WIVの研究者3人が新型コロナと類似の症状で体調を崩して病院で治療を受けた」と報道。19年11月は、多くの研究者がパンデミック(世界的大流行)の原因となった新型コロナが武漢で広まり始めたと考えている時期にほぼ相当する。未公開の報告書には当時症状を示した研究員数やその時期、病院訪問の事実など一歩踏み込んだ情報が入っているとしている。

WSJによると、WIVに詳しい米当局者らは今回の情報を評価する上で裏付けとなる証拠に関して異なる見解を示している。ある関係者は「国際的なパートナーから得た情報で、重大である可能性はあるものの、さらなる調査や実証が必要だ」とした。

一方、もう1人の関係者は情報がより確実なものだとし、「さまざまな情報源から入手した情報で極めて質が高いものだった。非常に正確だった。体調不良に陥った理由については詳細がなかった」と指摘した。  

世界保健機関(WHO)は3月公表の報告書で、WIVから流出した可能性について「極めて考えにくい」と明らかにした。WIVのコウモリコロナウイルス最高権威者である石正麗博士はWHO調査チームの武漢訪問の際、WIVに新型コロナの抗体保有者はおらず、新型コロナ大流行以降に離職した職員もいないとして、流出説を否定していた。

WSJの報道を受け、中国外交部の趙立堅報道官は24日の記者会見で「事実と全く異なる」と否定。「19年12月30日より前にWIVは新型コロナウイルスに接触したことはない」と主張し、「これまでにWIVで感染者は1人も出ていない」と反発した。

ロイター通信などによると、発生源についてバイデン米大統領は26日、追加調査を行い、90日以内に結果を報告するよう情報当局に指示したと発表。バイデン氏は声明で各国と連携し、中国に対して透明性の高い国際調査への参加や関連データの提供などを強く求めていく考えも表明した。(編集/日向)

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