インド政府、「インド型変異株」の投稿削除命令、後手に回った新型コロナ対策への批判回避狙う?

インド政府、「インド型変異株」の投稿削除命令、後手に回った新型コロナ対策への批判回避狙う?

新型コロナが大爆発しているインドで、政府がSNS各社に対し、「インド型変異株」という言葉を含む全投稿を削除するよう命じた。政府への批判を回避する狙いともみられる。インドのニューデリー。

新型コロナウイルスによる感染症が大爆発しているインドで、政府がインターネット交流サイト(SNS)各社に対し、「インド型変異株」という言葉を含む全投稿を削除するよう命じた。ロイター通信などが報じた。後手に回った政府の新型コロナ対策への批判を回避する狙いともみられる。

新型コロナウイルスのさまざまな変異株の呼び方については、これまで英国やブラジルなど、最初に特定された場所の地名が広く使われている。インド型は日本国内でも徐々に広がり猛威を振るう英国型よりさらに感染力が強いとされる。英公衆衛生当局はどの程度かは不明としながらも、「英国型に比べて増殖率が高い」と評価している。

ロイター通信など複数の報道機関はインド政府が21日、SNS運営各社に「インド型変異株」に関する投稿の削除を要求する書簡を送ったと報道。ロイターが入手した書簡によれば、政府は「インド型変異株」という呼称に関し「世界保健機関(WHO)が科学的に定義したものではない。完全に誤りだ」と批判した。

AFP通信が入手した書簡によると、インド政府は「各国にコロナウイルスの『インド型変異株』が広まっているかのような誤った内容がオンラインで取りざたされていると承知するに至ったが、これは完全に間違っている」と主張。WHOは「B.1.617系統の変異に関連して、『インド型変異株』という表現は一切使っていない」としている。

インド政府は今年2月、SNSやネットメディアへの新たな規制を発表。「インドの主権や領土の一体性、安全を脅かす」と判断した投稿は、政府が削除や発信者情報開示を命じられるようになった。事業者が違反すれば罰則が科される可能性がある。コロナ禍でのモディ政権批判が一時削除された例もある。

インドでは今年3月から変異株の感染が急激に拡大した。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計(26日現在)によると、感染が確認された人数は累計2694万8874人で、米国に次ぐ世界2位。1日当たりの感染者は一時40万人を上回った。死者数は30万7231人で、米国とブラジルに続く世界3位だが、実際の死者数はこれを大きく上回ると多くの専門家がみている。

さらに感染者増に伴い病床や医療用酸素が不足し、患者が十分に治療を受けられない「医療崩壊」が発生して深刻化。政権への批判が高まっている。(編集/日向)

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