中国宇宙ステーションに補給船ドッキング、トラブル乗り越え「特殊な荷物」も運搬―中国メディア

中国宇宙ステーションに補給船ドッキング、トラブル乗り越え「特殊な荷物」も運搬―中国メディア

中国の無人宇宙船「天舟2号」が、同国の宇宙ステーション「天和」とドッキングした。当初予定の打ち上げ開始直前に発見されたトラブルを克服してのドッキング成功だった。写真は「天舟2号」の打ち上げの様子。

中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)などによると、29日午後8時55分(日本時間同日午後9時55分)に打ち上げられた無人貨物宇宙船の「天舟2号」が30日午前5時1分(同午前6時1分)、中国の宇宙ステーションの中核モジュールである「天和」とのドッキングに成功した。「天舟2号」は当初予定の打ち上げ直前にトラブルが発見されたが、問題を克服。厳密な温度管理が必要な「特殊な荷物」も積み込まれていた。

「天舟2号」を打ち上げたのは長征7号(CZ-7)ロケットだった。長征シリーズの新型で、3回目の打ち上げ。1、2回目の打ち上げには成功していた。

「天舟2号」は当初、20日未明の打ち上げが予定されていた。19日午後1時には燃料注入など、一連の打ち上げプロセスが始動したが、午後9時40分に圧力計の一つが異常な数値を示した。打ち上げ予定時刻まで3時間を切っていた。

中国メディアの新浪網が発表した記事によると、故障が発生した個所を特定するために、検査員3人が防護服と酸素マスクを着用して該当個所に向かった。ロケットの外では酸素ボンベを持つ要員が待機し、ボンベを交換しながらの作業だった。検査員3人が狭い入口から潜り込んだ場所はロケットの尾部で、ロケットはすでに打ち上げプロセスに入っていたため、轟音が鳴り響く状態だったという。

「問題個所発見」の報告が繰り返されたが、真の問題個所でないと分かり、19日午後23時50分の時点で、打ち上げ延期が決定された。

20日には、それまでには認識されていなかった新たな問題も見つかった。一連の修復処置をしてから、いったんは抜き取っていた液体酸素を再注入した。その時点では1日遅れの21日早朝の打ち上げが可能との希望もあったが、酸素を注入したところで再び異常が見つかり、21日の打ち上げも不可能になった。

問題はロケットとは別の部分でも発生していた。「天舟2号」には、厳格な温度およびその他の環境管理が必要な特殊な積み荷である生物製剤が積み込まれていた。生物製剤は打ち上げ5時間前に積み込まれることになっており、いったん積み込まれて厳重に密封された生物製剤を再び船外に出すしかなかった。

長征7号は、燃料や液体酸素などを抜き取り、問題個所を確認し必要な処置を施して、いったん「ゼロ」の状態に戻してから、打ち上げプロセスを再開始することになった。問題はすべて解決されたが、その間にも「天舟2号」の担当係員が1日に3度の割合で「天舟2号」に立ち入り、状態を確認。ロケット先端部の「天舟2号」搭載部分は温度24℃、湿度40%に保たれた。

「天舟2号」は30日午前5時1分に打ち上げられた。軌道への投入は順調に進み、「天和」とのドッキングを果たした。中国は、6月に宇宙飛行士3人を乗せた有人宇宙船を打ち上げ、「天和」に乗り込ませる予定だ。宇宙飛行士の生活に必要な物資や、船外活動用の宇宙服、「天和」を宇宙ステーションとして機能させるための必要な設備、さらに推進剤なども運び込んだという。(翻訳・編集/如月隼人)

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