空前かつ無慈悲な「ガラガラポン」―中国オンライン教育企業が断末魔の様相

空前かつ無慈悲な「ガラガラポン」―中国オンライン教育企業が断末魔の様相

中国のオンライン教育企業は2020年には新型コロナ感染症の影響があり派手な動きを見せたが、現在は危機的状況に陥っている

中国の情報サイトであるZAKERは29日、「人員整理、暴落、オンライン教育は史上最も残酷な(マージャンの)牌シャッフル」と題する記事を発表した。オンライン教育企業は2020年には新型コロナウイルス感染症流行に伴う外出制限の関係もあり派手な動きを見せたが、現在は危機的状況に陥っているという。

記事はまず、オンライン教育企業として先頭集団を走ってきた「高堂課堂」の状況を紹介。同社は人員を30%削減し、情報提供やライブ配信の業務を全て停止したという。同社はニューヨーク証券取引所に株式を上場しているが、今年1月以来、株価は最高値時の149ドル(約1万6400円)から19ドル(約2090円)に暴落した。

業界が見舞われたのは株価暴落だけではない。オンライン教育企業大手の作業?と猿補導は5月10日、当局により虚偽宣伝を理由に、250万元(約4300万円)という上限金額の罰金を科せられた。

オンライン教育企業は20年、新型コロナウイルス感染症の発生の影響で、在宅勤務や在宅学習をする人が増えた関係で、大盛況となった。業界では、資金調達や業務の大幅拡張が「標準の流れ」となった。

ところが、一方ではオンライン教育企業の悪質な宣伝が発覚することになった。猿補導の広告に「生涯を通じて小学校の算数教師をしてきた」として登場した女性が、高堂課堂の広告では「英語を40年間教えてきた」と紹介された。この女性は教員ではなく、俳優であったことが判明した。

北京市教育委員会は2月5日、オンライン教育企業に対して動画授業に出演する教師の身分情報を検査するように求め、教員の資格を持たない者による授業の動画配信は、2月15日までにすべて配信を停止するよう要求した。

3月に開催された全国人民代表大会でも、代表(議員)が次々に、オンライン教育の監視を強化するべきとの意見を提出した。中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)は同月中に、教育関連の広告の放送を停止した。

ZAKER記事は、「教育とは、人を育てることが根本のはずだ」と論じた上で「現在の教育企業は、資本によって動かされている。至るところに、金銭しか眼中になく、授業の質には関心を持たず、配信量や(業務)拡大、投資の回収率しかない現象がある。明らかに偏っている」と批判した。

記事によると、20年における教育関連サイト関連の資金調達額は2016−19年の累計を超える280億元(約4800億円)に達した。記事は「資本とは速度と規模を追求するものだ。そのための最も有効な方法は販売促進大戦争だ。教区関連サイトは巨額の資金調達を終えた後、たちどころに広告大戦争に着手した。マイクロブログ、動画投稿サイト、テレビ、さらに交通広告やエレベーター内の広告まで、子を持つ親の目に触れる場所が、オンライン教育の広告で埋め尽くされた」と紹介した。

そして、多くの広告に虚偽が盛り込まれるようになったという。教師の経歴が虚構だったり、利用者の評価が偽造されたものだったり、さらには「国連と協力関係にある」と詐称する広告まで出現したという。記事は、子を持つ親の焦りの気持ちが、オンライン教育企業にとっての「刈り入れ場所になった」と形容した。

記事によると、さまざまな動きを見せたオンライン教育企業が収益を上げたわけではない。高堂課堂の財務報告によると、同社は2020年に13億9300万元(約240億円)の純赤字を計上した。その他の有力企業も軒並み赤字だったという。

記事は巨額の資金調達を行ったオンライン教育企業について、実力に乏しい小規模の企業の場合には衰退して消滅してしまう確率が高く、トップ企業でも生き残ることができるかどうかは未知数と評した。その上で、「(マージャンの)牌のシャッフルが終了した後には、オンライン教育が混乱を抜け出して教育の本質に回帰し、ゆっくりとではあるが質の高いサービスによって長期的な発展を勝ち取ることを望む」と論じた。(翻訳・編集/如月隼人)

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