韓国のごみ焼却場付近で60人ががんで死亡も、政府は「原因分からない」

韓国のごみ焼却場付近で60人ががんで死亡も、政府は「原因分からない」

2日、韓国・朝鮮日報によると、ごみ焼却場が3カ所近在する集落で過去10年間で60人ががんで死亡しており、住民が焼却場の関連性を訴えているが、国が因果関係の立証は困難だとの立場を示している。資料写真。

2021年6月2日、韓国・朝鮮日報によると、ごみ焼却場が3カ所近在している集落で過去10年間で60人ががんで死亡しており、住民が焼却場の関連性を訴えているが、国は「因果関係の立証は困難だ」との立場を示している。

記事によると、忠清北(チュンチョンブク)道清州(チョンジュ)市の郊外、北二面には、1999〜2006年に集落から半径2キロ以内の場所に民間の焼却場が3カ所設けられた。この間、各焼却場では新設と増設が行われ、1日の焼却量は1999年の15トンから2017年には543.8トンまで増加した。

集落の住民は「ここ10年で60人ががんで死亡し、40人以上が白血病や呼吸器・気管支の疾患を抱えている」とし、「焼却場で発生する発がん性物質が原因」だと主張している。2019年4月には、住民1532人が環境部に対し、焼却場と発がんの因果関係を調べるよう請願。環境部は住民代表、専門家、清州市公務員ら13人からなる官民合同協議会を設置し、今年3月まで大学や専門業者による影響調査と有害物質分析も行ったという。

先月13日、北二面で調査結果に関する住民説明会が開かれたが、環境部は「発がんとの関係立証は困難だ」との立場を示したという。調査の結果、大気と土壌から検出されたダイオキシン、カドミウムなどの有害物質濃度は他地域と大差はなく、ダイオキシンとベンゾピレンの濃度は排出許容基準値を下回る水準だと確認された。がん発生率(1999−2017年)の分析でも、焼却場と関連したがんの増加は認められなかったという。

一方、基準値を上回る結果も出ているという。住民の血中ダイオキシン濃度はソウル市民より約39.5%低かった。尿に含まれるカドミウム濃度は韓国の成人平均より最大5.7倍高かった。2-ナフトール濃度は1.8倍、遺伝子損傷指標も1.2倍高かった。特にカドミウム濃度と遺伝子損傷指標は焼却施設に近い住民ほど高い傾向にあったという。しかし、環境部は焼却場の排出口からカドミウムが検出されていないこと、土壌のカドミウム濃度が低いことなどから「特定の影響因子によるものだと結論付けるには科学的な限界がある」と判断したという。

さらに、がんの潜伏期間を考慮したコーホート分析によると、同じ忠清北道の報恩(ポウン)郡、陰城(ウムソン)郡などと比べ、男性で胆のうがんの発生率が2.63倍、女性で腎臓がんの発生率が2.79倍高いという結果が出たが、これにも環境部は「焼却場から排出される有害物質と住民のがん発生との疫学的因果関係を明確に立証できる科学的な根拠に欠ける」と結論付けた。焼却場との関連性が高いがんの増加と、焼却量の増加に伴うがん発生率上昇の関係性についても「明確ではない」とした。

住民らは環境部の発表を「行政が業者に免罪符を与えた」と批判し、住民協議体として先月24日に「環境部の発表を認めない」と遺憾を表明した。住民らは「被害を受けた期間は20年なのに、予算10億ウォン(約1億円)で1年分の健康調査しかしないのでは限界がある」「焼却汚染物質とされる多環芳香族炭化水素やクロムが高濃度で検出されたにもかかわらず、このような結果が出たことは受け入れられない」と訴えている。今月2日には、「微小粒子状物質解決のための忠北市民対策委員会」と住民らが環境部前で合同会見を開き、調査結果を糾弾。再調査を求めたという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「これで因果関係がないというのか?」「どう考えても焼却場のせいじゃない?ひどすぎる」「関係がないというのなら、環境部はこの集落に移転すれば?」「政府は何かというと『因果関係を明らかにするのは困難』だというが、無能だから明らかにできないんだろう」「原発をなくしたら火力発電所をなくせない。今後、環境被害がどんどん出てくると予想されるが、何もできずに放置。環境団体もいまや政治団体に転落してるし。政府が無能なおかげで庶民が苦労するばかりだ」「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は退任後、焼却場のある集落に家を建てるべきだ」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/麻江)

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