かつて中国の「性都」で合同就職説明会、求人倍率は1.4倍

かつて中国の「性都」で合同就職説明会、求人倍率は1.4倍

東莞市は、広東省の省都である広州市と、ハイテク企業の集積地である深セン市の中間に位置する。(写真は東莞市の遠景。提供:123RF)

 広東省東莞市で合同就職説明会が3月29日に開催され、現地の企業1154社に対し、電子科技大学、長安大学など高等教育機関267校が参加し、5万8000人の就業について契約が結ばれたという。21世紀経済報道などが伝えた。東莞市の製造業では人材不足が深刻で、高度な技術を持つ人材に対しては、1人に対して1.4倍の求人があるという。

 東莞市は、広東省の省都である広州市と、ハイテク企業の集積地である深セン市の中間に位置する。深センに隣接する香港や、海を隔てた台湾から、多くの企業が工場を建設し、中国で最大といわれる工場群が作られている。その工場での労働者は、「農民工」と呼ばれる農村部からの出稼ぎ労働者だった。その労働者を対象とした売春が盛んになり、東莞市はかつて「性都」とも呼ばれたことがある。中国全土から富裕層や役人などを集めていたものだ。

 その性都は、2014年2月に警官約6000人を動員した大規模な関連施設の一斉摘発によって壊滅した。1000人以上の関係者が逮捕され、夜総会(ナイトクラブ)、個室カラオケ、サウナ、マッサージ店など風俗産業で働いていた30万人とも、100万人ともいわれる関係者は、東莞を離れた。地域経済も深刻な打撃を受けた。さらに、その摘発の前後から現地の工場群は、より人件費の安いベトナム、カンボジアなどに移転が進んでおり、風俗産業の摘発が地域の空洞化に拍車をかけたといわれた。

 その後、中国政府の肝いりで産業振興が図られ、今回の大規模な就職協定は、見事に産業都市として復活を遂げたことがうかがえる。今年の5.8万人の就労契約は、前年の約1.5倍の規模だという。労働集約型の製造業から、電子情報関連を軸にした高度な製造業への転換も進んでいるようだ。かつて、風俗店だった場所では、若者向けのブティックやカフェが開店し、ベンチャー企業のインキュベーターも少なくないという。中国の経済成長のバイタリティを感じさせる東莞市の変遷だ。(写真は東莞市の遠景。提供:123RF)

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