車を買うのは少し待て! 中国の自動車輸入関税の引き下げで高級車の値下げ加速

車を買うのは少し待て! 中国の自動車輸入関税の引き下げで高級車の値下げ加速

中国では増値税(日本の消費税に相当)の引下げに伴う高級自動車の値下げ合戦が始まっている。今後、輸入自動車への関税の引き下げも予定され、一段と値下げが加速する方向だ。(イメージ写真提供:123RF)

 中国で高級車の値下げ合戦が始まっている。中国政府が5月1日から、増値税率(日本の消費税に相当)の一部引き下げ(17%→16%)を実施。減税に合わせ、メーカー希望小売価格を続々と引き下げている状況だ。今後、自動車輸入関税の引き下げが予定され、輸入高級車の価格低下に対抗して国内生産の自動車の値下げは必至だ。消費者の購入手控えによる需要減退を防ごうと、前倒しでの値下げ合戦となっている。

 値下げの口火を切ったのは、独メルセデス・ベンツ。減税実施翌日の2日にメーカー希望小売価格を引き下げると発表した。すぐさま、ジャガー・ランドローバー、リンカーン、BMWが追随した。各社が数千元(数万円)〜数万人民元(数十万円)の幅で値下げを決定している。

 10日には、アウディが第一汽車集団との現地合弁である一汽大衆汽車で複数車種の値下げを発表した。値下げ幅は1300(約2.2万円)〜1万8200人民元(約31万円)。同社はオートローン金利も優遇し、輸入車は最大24カ月間にわたり分割金利を「0%」に設定した。一部の国産車にも、18カ月のゼロ金利優遇を実施する。

 中国高級車市場を巡っては、「今後さらに値下げが加速する」との見方もある。4月に海南省で開催された「ボアオアジアフォーラム」で、中国政府が対外開放加速政策を強調し、自動車輸入関税を一段と引き下げる方針を明示したためだ。引き下げ幅はいまのところ未公表だが、市場では「現行の25%から15%に10ポイントも下がる」と予想されている。

 中国に輸入される自動車に課される税金は現在、関税、増値税、消費税(輸入ぜいたく品や非生活必需品に課す税金)の3項目。税率は、関税が25%、増値税が16%。消費税率は排気量に応じて、1〜40%に設定されている。例えばドイツから輸入される排気量4.4リッターの「BMW X6」の場合(日本での希望小売価格は1000万円〜1200万円程度)、CIF価格(運賃、保険費込)を50万人民元(約863万円)と仮定すると、関税は12万5000人民元(約213万円)、増値税は17万7000人民元(約304万円)、消費税は41万6000万人民元(約715万円)。輸入時の税コストは合算121万8000人民元(約2095万円)にも達する。

 中国の自動車市場は、スマート化とグリーン化に大きく舵をきっている。2023年には全国規模でガソリン車を廃止して電気自動車に切り替える計画を推進している。米国の電気自動車メーカーのテスラが北京に100%出資の現地法人を設立したことが明らかになったが、高級車のイメージも今後は、大きく変わっていくことが予想される。輸入関税の引き下げもひとつのきっかけとなって、自動車市場の転換を促しそうだ。(イメージ写真提供:123RF)

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