日本の漢方薬が中国の人々を救う! 「平安津村」が深センで業務開始

日本の漢方薬が中国の人々を救う! 「平安津村」が深センで業務開始

中国平安保険が持つビッグデータとツムラの漢方薬製造ノウハウを活用することによって、「未病先防(みびょうせんぼう)」という中医に独特の病気を未然に防ぐという予防医学の分野で大きな成果が期待される。(イメージ写真提供:123RF)

 中国・前漢の時代(紀元前200年頃)にまとめられた医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」を原点に発展してきた中医学(中国伝統医学)は、まさに中国4000年の歴史を象徴する。その理論に基づいて日本で独自に発展した漢方薬を現代の医療に通用する医薬品として磨いてきたのがツムラだ。近年では、訪日外国人旅行者が日本で漢方薬を爆買いすることが話題になるほど、その品質は中国国内でも知られるところ。そのツムラが中国市場で大きな成長を遂げようとパートナーに選んだのは、中国の第2位の大手保険会社である中国平安保険だった。6月13日にツムラは、平安保険との合弁会社「平安津村有限公司」が広東省深セン市の開発エリア・前海地区に設立した。

 平安保険は、単純に保険を売っている会社ではない。中国最大のインターネット医療健康管理プラットフォーム「平安Good Doctor」を運営し、そこではオンラインで健康相談に応じる自社医師1000名、6万人を超える提携医師、5000カ所の提携病院というネットワークを持っている。登録ユーザー数は1.5億人以上、1日の問診量は100万件を超えることもあるという。さらにオフラインのクリニックチェーンとして平安万家医療を展開している。

 このような平安保険の医療に関する広範な情報ネットワークは、ビッグデータとして「平安ヘルス・クラウド」という情報ネットワークに蓄積され、地域の疾病予測などで活用が始まっている。実際に、重慶市政府と連携してインフルエンザなどの流行予測などの情報を提供している。

 ツムラが平安保険に期待することも、平安保険が中国国内に持っている広範なネットワークだろう。それは、単純に「平安津村」の商品やサービスを中国国内に広めるというだけにはとどまらない。平安津村が開設する中薬を主とした分析研究センターでは、平安保険が持っているビッグデータとツムラの漢方薬製造ノウハウを活用することによって、「未病先防(みびょうせんぼう)」という中医に独特の病気を未然に防ぐという予防医学の分野で大きな成果が期待される。

 中国では急速に進む高齢化で、膨張する医療費は国家的な課題として意識されている。病気を未然に防ぐことができる健康食品やヘルスケア用品への需要は大きい。「平安津村」は事業のスタートにあたって、「中薬No.1ブランド」を掲げる。2027年の売上高100億元(約1700億円)をめざすという計画が、慎重すぎるような計画に思える船出だ。(イメージ写真提供:123RF)

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