中国人民元建ての原油先物、開設3カ月で世界第3位の取引規模に拡大

中国人民元建ての原油先物、開設3カ月で世界第3位の取引規模に拡大

中国初の国際的な先物市場として今年3月26日から始まった上海自由貿易区の上海国際エネルギー取引センター(INE)での原油先物取引は、WTI原油、英国領北海のブレント原油に続く世界3位の規模になった。(イメージ写真提供:123RF)

 「原油価格が2014年11月以来となる75ドル台に乗せた」など、原油価格の指標として使われているのは、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格だ。米国シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場し、世界の原油価格の指標になっている。これに対抗しようと、中国初の国際的な先物市場として今年3月26日から始まったのが、上海自由貿易区の上海国際エネルギー取引センター(INE)での原油先物取引だ。人民元で取引される新市場だが、取引開始から100日を迎え、順調に成長している。

 INEでの原油先物取引規模は、毎月の売買契約額(片道)が4月が2675億2300万人民元(約4.5兆円)、5月が8835億3300万人民元(約15兆円)、6月が1兆795億3000人民元(約18兆円)にまで拡大した。毎日の契約額は、ドバイ商業取引所(DME)のオマーン原油を超過し、WTI原油、英国領北海のブレント原油に続く世界3位の規模になった。

 INEの売買口座開設は足もとで2万5000件を超えた。個人が最も多く、これに特殊法人、一般法人が続く。

 米エネルギー情報局(EIA)の資料によれば、中国の2017年原油輸入は1日当たり平均840万バレルに達し、米国(790万バレル)を初めて超えた。世界最大の原油輸入国となった。

 しかし、国際価格交渉権を実質的に持たない中国石油企業は、英国の北海ブレント(ブレント原油)、米国のWTIを売買することで、取引リスクを抑えてきた経緯がある。今後、INEの原油先物市場が成長し、その価格の影響力が高まることによって中国企業は原油リスク管理がより簡便になると期待される。また、ヘッジ取引を利用することで、原油だけでなく、塩化ビニル樹脂(PTA)やポリ塩化ビニル(PVC)など川下商品の価格変動リスクをある程度抑制することも可能になるという。

 これまでのところ、各原油商品との相関性は、WTIとが70%、ブレントとが95%、オマーンとが96%という。INE原油先物の成長は、中国の人民元の国際化を推し進める要因にもなる。INE原油先物の存在感の向上は、アメリカに対抗する国際勢力としての地位を一段と高めたい中国にとって、大きな意味のあるチャレンジになっている。(イメージ写真提供:123RF)

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