「命に係わる高温」は中国でも! エアコンなどの消費で電力不足が深刻な事態に

「命に係わる高温」は中国でも! エアコンなどの消費で電力不足が深刻な事態に

中国は、温室効果ガスの最大排出国であり、かつ、世界最大の人口を要する中国の最も人口が密集する中国北部の華北平原一帯は、近年、たびたび「熱波」に襲われている。今夏は、一段と暑さが厳しいようだ。(イメージ写真提供:123RF)

 日本で気象予報の際に「命に係わる高温」という表現が使われ始め、「室内ではためらわずエアコンを使いましょう」と呼びかけられているが、同様の状況は中国でも起こっている。このため、エカコン消費などのよる中国の電力需要がうなぎ上りとなり、深刻な電力不足が懸念されている。

 中国は、温室効果ガスの最大排出国であり、かつ、世界最大の人口を要する中国の最も人口が密集する中国北部の華北平原一帯は、近年、たびたび「熱波」に襲われている。このほど発表された米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究では、二酸化炭素(CO2)の排出量を減らさなければ、「今世紀末には、ほんの数時間さらされるだけで人を死に追いやるような熱波が同地域を繰り返し襲う」といわれているほどだ。

 実際に、上海では7月から37度の「酷暑ライン」を超える日が頻発。39度を超える日もある。今年は7月末までに、最高気温が35度以上の高温日は22日になっている。上海では1990年代から高温の日数が増え、1年間に平均23日に達している。1971年から2000年まででは9日だった。

 各地で気温が上昇する中、エアコン・冷蔵庫を中心に電力消費が急増。国内の電力配送会社である国家電網や南方電網の報告によると、全国31行政区画のうち、今夏は18区画の電力需給にひっ迫がみられている。例年は気温があまり上がらない中国東北部でも、今年は高温警報が頻繁に出されているためだ。

 すでに上半期時点で電力需要は大幅に伸びた。全国の電力消費は、上半期に9.4%増の3兆2300億キロワット時(kWh)に拡大した。伸びは前年同期比で3.1ポイントも加速している。形態別の伸びは、第2次産業で7.6%、第3次産業で14.7%、住民向けで13.2%などだ。

 中国の電力消費量は、2017年に6兆3077億kWhで世界最大。第2位のアメリカが2年連続で消費量を削減していることと比較して中国は増え続けている。1人当たり消費量では中国はアメリカの3分の1程度であることから、中国の需要を抑えることは難しく、今後も消費量の増大が予測されている。

 中国の電源構成は、石炭が60%程度を占めている。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの電源開発を積極的に進めているものの、需要の拡大が早いために、化石燃料からの代替が遅々として進まない。さきごろ、国際エネルギー機関(IEA)が「中国が2019年に日本を抜いて世界最大の天然ガスの輸入国になる」と発表したように、資源の輸入も急拡大させている(電源構成に占める天然ガスの比率は、2016年の時点で日本の22%に対し、中国は6%)。

 異常気象が環境保全への取り組みを後押ししているが、その異常気象を乗り切るために、環境への負荷を一段と強くしてしまうというジレンマがある。このジレンマを解消するためにも、エネルギー消費の効率化、エネルギーの最適な配分など、技術革新が切実に求められている。(イメージ写真提供:123RF)

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