ゴミ輸入の禁止によって中国で紙の値上がりが顕著、リサイクル率の向上が必須

ゴミ輸入の禁止によって中国で紙の値上がりが顕著、リサイクル率の向上が必須

中国の今年1〜7月の古紙輸入量は、前年同期比で50%減少し、853万トンにまで落ち込んだ。固体廃棄物の輸入削減、混入物の削減などの影響を受け、今後の輸入枠減少は必至だ。業界の予想では、中国の古紙輸入は19年と20年に25%以上ずつ減少する見込みという。(イメージ写真提供:123RF)

 今年1月から始まった「洋ゴミ禁止令」によって、紙の原材料となる古紙に品薄感が強まり、中国の古紙相場が高値圏で推移している。すでに国際パルプ相場は2017年下半期から上昇トレンドに入り、累計の値上がり率は50%近くに拡大した。古紙の価格は、足もとでトン当たり3400人民元(約5万5000円)の高値をつけている。中国では、ネット通販の拡大によって配送用のダンボールに品薄感が強まっている。古紙不足がダンボール価格の上昇を一段と押し上げそうだ。

 「洋ゴミ禁止令」とは2017年12月31日を最後に環境負荷の大きな4分類24種類の輸入廃棄物を全面禁止した措置を指す。この1分類に「未選別古紙」があった。この後、18年3月1日に導入された海外古紙輸入の品質条件は、「混入物0.5%(改定前は1.5%)」という世界的にみても厳格な条件に設定されている。不純物とは、廃木材、廃金属、廃ガラス、廃プラスチック、廃棄ゴム、廃棄吸着剤、壁紙、蝋が塗られた紙、パラフィン紙、カーボン紙など。

 この結果、今年1〜7月の古紙輸入量は、前年同期比で50%減少し、853万トンにまで落ち込んだ。固体廃棄物の輸入削減、混入物の削減などの影響を受け、今後の輸入枠減少は必至だ。業界の予想では、中国の古紙輸入は19年と20年に25%以上ずつ減少する見込みという。

 中国の紙需要は大きく伸びてきているが、1人当たりの消費量は77.7kg(2016年)。日本の208.7kg、米国の218.6kgなどと比較すると3分の1程度の量なので、これからも需要が拡大することは明らか。ただ、古紙回収率は、世界平均が58.6%、日本は79.9%、米国が66.9%のところ、中国は46.7%とリサイクルが遅れている。その分、海外からの古紙輸入によって生産量で世界一(世界シェア27.1%)の原料としてきた。その古紙輸入を制限することで、中国の製紙業界のコストアップは深刻になっている。
 
 中国では段ボール価格をはじめとした、製紙業界の値上げラッシュが続いている。現在のところ、トイレットペーパーやキッチンペーパー、紙ナプキンなどの生活用紙の価格に目立った価格の上昇はないようだが、製紙業界での段ボール生産シフトが進んでおり、生活用紙の値上がりに波及する恐れがある。「洋ゴミ禁止令」は、中国の環境保全意識の高まりに呼応して採用された。今後は、中国国民がリサイクルの意識を強くするなど、生活意識の改革が求められるようになるだろう。(イメージ写真提供:123RF)

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