「中国映画史上最悪の漏えい事故」と中国当局、海賊版の取締り厳格化を宣言=中国メディア

「中国映画史上最悪の漏えい事故」と中国当局、海賊版の取締り厳格化を宣言=中国メディア

中国では旧正月1日(2月5日)、SF大作『流浪地球』をはじめとする春節映画が公開された。しかし、公開翌日の6日には、すべての春節映画のデータがネット上に流出したという。(イメージ写真提供:123RF)

 春節(旧正月)の休暇期間が終わった。中国映画は興行収入58億人民元(約950億円)を超える大盛況となったが、深刻な海賊版問題も発生している。中国メディアの現代快報は12日、「『流浪地球(原題)』など映画データ漏えい 国家版権局が取締りへ」と題する記事を発表した。業界関係者が「中国映画史上最悪の漏えい事故」と評した今回のできごとは、一体どのような背景で生じたのだろうか。

 記事によると、中国では旧正月1日(2月5日)、SF大作『流浪地球』をはじめとする春節映画が公開された。しかし、公開翌日の6日には、すべての春節映画のデータがネット上に流出。SNS上では、海賊版を「1作1元、セットで3元」(1元は約16円)で叩き売りする者や、新年の挨拶として友人にシェアする者まで現れた。

 この事態を受けて、中国国家版権局は10日、重大な著作権侵害を行った海賊版作成者については、公安部門へ引き渡し、刑事的手段をもって厳格に取り締まる旨の声明を発表した。公開翌日に海賊版が出回るとは、実に驚くべき早わざである。しかし、本件の特徴は別のところにあるようだ。現代快報の記事によると、今回ネット上に流出した春節映画のデータはすべて、スクリーンを撮影して作成したものではなく、原本を複製したと思える高画質版だった。そのことから、ある映画業界関係者は、本件を「中国映画史上最悪の漏えい事故」と評し、懸念を示したという。

 海賊版は当然ながら違法である。著作権意識の低さが海賊版の温床であることは確かだが、今回の春節映画のデータ流出には、また別の要因もありそうだ。中国メディアの新華網は10日、「チケット価格が約15%上昇 春節映画のチケットはなぜ高くなったのか?」と題する記事を発表した。それによると、旧暦1日(2月5日)の映画チケット価格は全国平均45.1人民元(約735円)で、前年比約15%の上昇。北京市内のある映画館では、6日時点でチケット1枚140人民元(約2280円)にのぼるケースもあったという。中国の映画館はもはや、庶民が気軽に行ける場所ではなくなったのかもしれない。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF) 

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