日本の製造業が海外生産拠点を減らし、「日本回帰」を急ぐ5つの理由=中国メディア

日本の製造業が海外生産拠点を減らし、「日本回帰」を急ぐ5つの理由=中国メディア

中国メディアは、昨年末より日本企業が海外生産能力を減らして国内の生産を強化したり、さらには国内に新工場を建設したりといった情報が続々と伝えられていると紹介した。(イメージ写真提供:123RF)

 中国メディア・澎湃新聞は1日、海外に生産拠点を設けていた日本企業が続々と日本国内に工場を移転する流れが起きている背景やその目的について論じた記事を掲載した。

 記事は、昨年末より日本企業が海外生産能力を減らして国内の生産を強化したり、さらには国内に新工場を建設したりといった情報が続々と伝えられていると紹介。2月に英国とトルコの工場を2021年に閉鎖することを発表したホンダをはじめ、日産、キヤノン、資生堂、ライオン、ユニ・チャーム、日清食品といった日本の大手企業が海外拠点の閉鎖や日本国内での工場建設と生産開始を表明してきたと伝えた。

 そのうえで、高齢化による生産コスト上昇を嫌って海外に生産拠点を移した日本企業がこのところ日本回帰の傾向を強めている背景について5つのポイントを挙げている。

 1つめは、新興市場の消費能力向上に伴って品質が高く安全で信頼できる日本製品が現地消費者の人気を集めている点を挙げた。高まるニーズに対して、日本本土の技術開発能力、管理能力を十分に利用し、「日本製」のブランド効果を最大限発揮させようという企業の思惑があると解説した。

 2つめは、近年増加している外国人観光客が持つ高い購買力が、日本国内の消費市場に新たな活気をもたらしていることとした。3つめは、越境ECプラットフォームの急速な発展により、外国からネットを通じて手軽に日本製品を購入するケースが増えていることを挙げている。

 4つめは、日本銀行の金融緩和政策が続くことに伴う円安で輸出メリットが高まる一方で、新興市場の人件費上昇によって海外生産のメリットが小さくなっていることを挙げた。そして5つめは、日欧EPA(経済連携協定)やCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)の発効に伴って関税の障壁が下がることとした。
 
 記事はまた、日本の製造業がIoE(全てのモノのインターネット)の路線を踏み出し、生産効率や企業コスト構造の改善が期待されることも、日本企業の「本国回帰」の要因になっているとする日本企業(中国)研究院の陳言・院長の見解を伝える一方で、日本国内の人口問題解決に取り組まなければ、国内市場の萎縮は止まらず、日本企業の本国回帰が一時的なものに終わってしまうとの見方も出ていることを併せて紹介した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

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