莫大な債務を抱える中国高速鉄道は「灰色のサイ」なのか=中国メディア

莫大な債務を抱える中国高速鉄道は「灰色のサイ」なのか=中国メディア

中国の高速鉄道は、路線の多くが赤字路線となっていて、黒字となっているのはごく一部にとどまっている。(イメージ写真提供:123RF)

 今や中国全土に拡大した中国の高速鉄道網だが、路線の多くが赤字路線となっていて、黒字となっているのはごく一部にとどまっている。中国は高速鉄道の建設に莫大な投資を行っているが、そもそも鉄道の建設費用はサンクコストであるため、回収するためには黒字化が必要となる。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、中国高速鉄道の債務総額は5兆2800億元(約87兆7400億円)に達したことを紹介し、積極的な投資がもたらした莫大な債務について、一部で「中国経済の発展における『灰色のサイ』だ」という指摘があると伝える記事を掲載した。

 「灰色のサイ(グレー・リノ)」とは、「発生確率が高く、なおかつ深刻な影響をもたらす可能性のある潜在リスク」を指す言葉だ。記事は、中国の国営鉄道会社であり、高速鉄道の運営を行う中国鉄路総公司の財務報告を引用し、同社の2010年末における債務総額は1兆8900億元だったが、18年9月末には5兆2800億元まで急激に拡大していることを紹介。金利の支払いだけでも莫大であるため、債務負担があまりにも重すぎてリスクが大きすぎるという指摘があると紹介した。

 続けて、中国が高速鉄道事業で抱える莫大な債務について、「灰色のサイ」であるとの指摘が聞かれるようになったと紹介する一方、鉄道業界の専門家からは「債務比率は特別高いわけではなく、合理的に制御できる範疇にある」といった反論が見られると紹介。特に近年は債務の増加ペースが鈍化していること、乗車券の値上げ余地は大きく、これから投資を回収することができることなどを要因として挙げ、中国高速鉄道が抱える債務が深刻な危機をもたらすことはないと主張した。

 一方、専門家からは別のリスクの存在が指摘されていると伝え、1つは地方政府の債務増加というリスクだと紹介。高速鉄道の建設には中央政府と地方政府、そして国有企業による資金が投下されており、中国では高速鉄道がもたらす経済利益を見込んで、積極的な投資を行う地方政府が見られると紹介。地方政府にとって高速鉄道の建設がもたらす金銭的負担は決して軽くないと強調した。また、中国の鉄道関連企業のなかには不動産業などリスクが高い業種に参入し、積極的に財テクを行っている企業もあると紹介し、こうした動きは中国の鉄道産業の活性化や競争力強化においてはマイナスであると伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

関連記事(外部サイト)