企業研究者の吉野氏がノーベル賞を受賞、「日本と中国は職場環境も違う」=中国メディア

企業研究者の吉野氏がノーベル賞を受賞、「日本と中国は職場環境も違う」=中国メディア

中国メディアは、吉野彰氏が民間企業で働きながらノーベル賞を受賞したことについて、日本の職場環境に着目し「日本と中国の職場環境の違い」について伝える記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

 2019年のノーベル化学賞は旭化成名誉フェローの吉野彰氏が受賞した。吉野氏は企業研究者として旭化成という民間企業に勤めながらノーベル賞を受賞したことでも大きな注目を集めている。中国メディアの今日頭条はこのほど、吉野氏が民間企業で働きながらノーベル賞を受賞したことについて、日本の職場環境に着目し「日本と中国の職場環境の違い」について伝える記事を掲載した。

 記事は、2019年で日本のノーベル賞受賞者は米国籍を取得した人も含めると27人になったと指摘。これまでも中国では「日本が多くのノーベル賞受賞者を輩出できる理由」について、しばしば議論されてきたと伝え、もっとも多く聞かれる意見としては「教育の違い、研究開発に対する投資、国民性の違い」が挙げられてきたと紹介した。

 しかし、今回は吉野氏が民間企業に勤めながらノーベル賞を受賞した人物であることから、日中の「職場環境の違い」に注目し、ノーベル賞受賞者の多さにも影響するであろう「日本の職場における環境」について、中国と異なる4つの特徴があると紹介した。

 まず、1つ目は、「研修の有無」だとし、日本では職についたばかりの頃は企業が社員に様々な研修を受けさせ、「白紙の状態から企業が専門とする分野に特化できるよう訓練を与える」と紹介。一方、中国は「大手企業で長くても1週間、一般的には1ー2日の軍事訓練式の団体行動訓練とオリエンテーリングのみですぐ、経験ある社員と混じって仕事に就くことになる」と指摘。こうした研修の有無は、人材が企業で働くうえでのパフォーマンスに大きく関わるものだと強調した。

 2つ目に、「福利厚生」を挙げ、日本の企業は給与や福利厚生が保証されていて、中国と比べて社員の立場が安定していると紹介。加えて、「有給休暇」の制度が確立され中国よりもまとまった休暇が取りやすく、メリハリのある働き方ができると主張した。

 中国人からすれば、「日本の企業には研究を続けやすい職場環境がある」ように映るようだが、中国ではどのような職業であっても、良い条件があれば人びとは簡単に転職してしまうため、企業側としても、いつ転職していなくなるか分からない人材には積極的に投資しにくいであろう。また、労働者側としても、ころころと職を変えることはノウハウの蓄積や専門性の向上といった点でマイナスになるはずで、現在の中国の労働環境では企業研究者としてのノーベル賞受賞者はなかなか出てこない状況にあると言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

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