アンジー・リーのクローズアップ中国(第10回)「日本の電車はおもてなしの宝庫」中国人は地名を日本語の発音では認識できない!?

アンジー・リーのクローズアップ中国(第10回)「日本の電車はおもてなしの宝庫」中国人は地名を日本語の発音では認識できない!?

日本人からすればごく日常的な場所ですが、電車の中は日本の“おもてなし”が詰まった宝庫なんです。(写真は、筆者であるアンジー・リーさん。上海出身、タレント・ラジオDJとして活動中)

 日本人からすればごく日常的な場所ですが、電車の中は日本の“おもてなし”が詰まった宝庫なんです。私が日本に来たのは1997年、飛行機から降りて、空港を出て電車に乗って家に向かう時、電車の座席に座った瞬間、驚きと感動に包まれました。新幹線でもないのに、普通の電車の座席が布製のクッション!! 当時小学生の私からしたら、すごくVIPな席に感じました。上海では、当時まだ地下鉄1号線しかなくて、しかもヨーロッパの電車のスタイルなので、座席はプラスチック製で硬くて冷たい。日本の電車の座席はふかふかしてて柔らかい、秋だったので座席に下から暖かい風が出てきたの感動しました。それだけで、日本ってなんていい国なんだろうと思いました。

 さらに驚いたのは、車椅子の方が乗車と下車する際に、駅員さんがサポートをしていたこと。中国では、車椅子や体の不自由な人が電車やバスに乗るのあまり見かけたことがありませんが、おそらく人口が多いから、混雑する電車に乗るのは不便ですし、バリアフリーが不完全なのもあります。しかし、日本では駅員さんが改札で車椅子の方を乗車までサポートして、その方の降りる駅の駅員さんと連絡取り合い、降りるタイミングにドアの外でお出迎え。多くの乗客がいる中、特別対応していることに日本人の優しさを感じました。

 初めて日本に来た中国人の観光客の間では日本の電車の快適さはとても評判で、駅での光景はよくSNSで話題になっています。近年、中国人観光客への“おもてなし”として、駅構内や車内での中国語でのアナウンスも増えてきました。

 ここ2年の間で、東京メトロやJR北海道、名古屋電鉄の中国語アナウンスの依頼があり、私の声が流れています。しかし、乗車率の高い都内の主要路線ではまだ車内放送の中国語がありません。駅間隔が短いため、中国語を入れる時間があまりないそうです。でも、実は漢字の国だからこその落とし穴があるんです。中国人は、日本の地名を文字では認識できますが、音では認識ができません。ごく一部の日本好きな若者は日本語の発音を覚えてきたりします、ほとんどの人はそこまで覚えられません。他の国では日本の地名はほとんどそのまま日本語の発音で訳されますが、中国では地名の音を中国語の発音で認識しているので、それは他の言語との一番大きな違いです。車内の電子掲示板や駅のホームの標識を確認しないと到着した駅を確認できないので、中国語での駅名の案内の必要性がすごく高いと感じています。

 地名だけでなく、人名や商品名も同じことが言えます。中国人は認識しづらい音は覚えにくいので、中国人にモノをPRする時、中国名をつけることがおすすめです! 日本の有名人でも、中国へ行く時に中国語の発音で自己紹介したりしますし、英語名やカタカナの名前の人は覚えやすい中国のニックネームをつけたりしています。言語的に特殊な国だからこそ、プロモーションする時に中国人に優しい名前が大事なんです。(写真は、筆者であるアンジー・リーさん。上海出身、タレント・ラジオDJとして活動中)

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