世界最大のDNAデータベースを作る中国共産党 ハイテク技術規制するべき=米専門家

世界最大のDNAデータベースを作る中国共産党 ハイテク技術規制するべき=米専門家

技術者が北京の遺伝子研究で作業を行っている様子、2018年8月撮影 (GREG BAKER/AFP/Getty Images)

『アジアのいじめっこ:中国の夢は世界秩序にとって新たな脅威』の著者で中国の人権問題を扱う「人口研究所」代表スティーブン・モッシャー(Steven Mosher)氏は、このたび、大紀元英字版に投稿し、中国共産党による巨大なDNAデータベースの管理が海外にまで及んでいると警鐘を鳴らす。それによれば、中国共産党は、このヒトそれぞれが持つ固有の情報を人口統制のために使っている。以下はその抄訳。

中国共産党当局は、自国民のDNAの収集・分析・保管のみならず、世界中の何百万人もの人々のDNAを収集している。DNAは、細胞を構成する原案(ブループリント)であり、地球上の約75億人を識別できる固有の情報だ。

DNAは私たちの持つ最も繊細な秘密だ。中国を支配する共産党政権の下で、洗練された生物研究者によりDNAを組み立てられてしまえば、生物兵器が生成されるかもしれない。

中国共産党政権はすでに世界におけるバイオテクノロジーの優位性を得ることを党策に掲げており「中国製造2025」に明記している。これは、中国国営の資本が米国や海外のバイオテクノロジー企業に積極投資または買収していることからも見て取れる。

このデジタル全体主義国が主導する「中国製造2025」により、個人や組織のスパイ活動、社員として海外で対象企業に潜入、サイバー攻撃などの方法が広く行われている。目標は同じで、最先端のバイオテクノロジーと遺伝子情報を可能な限りの方法で中国に転送することだ。

中国に転送された海外の遺伝子情報は、官製組織である北京遺伝子研究所(Beijing Genomic Institute、BGI)で管理されている。昨今、米中経済安全保障委員会が報告したように「BGIは2010年に中国開発銀行から10年の5500億米ドルの融資を受けて、128HiSeq2000シーケンサーも購入している。BGIはDNA解析の世界大手で、米国拠点のイルミナ(Illumina)とトップを競っている。

最先端の技術を獲得するため、BGIは米国のDNA解析を行うコンプリート・ゲノミクス(Complete Genomics)社を買収した。これにより、中国官製組織は大量の米国人の遺伝子情報を含むDNAデータベースにアクセスできるようになった。

忘れてはならないのは、中国の場合、民間であろうが国営であろうが、すべてのハイテク関連事業は、共産党と密接な協力関係にある。

この買収について当時ワシントン大学の遺伝子解析センターのエレイン・マーディス(Elaine Mardis)共同代表は、ニューヨーク・タイムズの取材に対して「(中国共産党政権に)米国の遺伝子データが盗まれてしまうのを阻止するには、どうしたらいいのか」と買収許可を強く非難した。こうなると、答えは「阻止する方法はない」だ。

大規模な国内DNA収集計画を完成させるため、中国共産党は近年、遺伝子配列決定機器の主な購入者となった。

マサチューセッツ州ウォルサムを拠点とするサーモフィッシャー(Thermo Fisher)社などの米国企業は、「中国がここ数年で最も急成長している市場」と説明する。

サーモフィッシャー社のDNA解析機器は中国公安部に販売され、その多くが100万人以上収容されているという新疆ウイグル自治区で、当局の弾圧政策のために使用されていると報じられた。このため、同社は2019年2月、中国市場の新疆ウイグル自治区での取引を停止したと発表した。

報道によると、中国西部ウイグル自治区と近隣地域に住む3650万人は、監視と人口管理計画により、DNAサンプル、網膜、指紋の提出を強要された。北京は、この生体情報の収集は「過激主義とテロ」に対抗するために必要だと主張している。ニューヨーク・タイムズの報道によると、生体情報収集のために、サーモフィッシャー社の製品が使用されていた。

トランプ政権は、中国の米国バイオテクノロジー企業、技術、機器販売に対して、正式な制限を設けることを検討すべきだ。新疆に住む人々のみならず、米国の技術の悪用と遺伝子情報の保護のために、正しい仕事をするようにしなければならない。

米国では病院、診療所、そして商業用DNA検査会社でさえ、分析研究のためにDNAサンプルを中国に定期的に送信している。DNAサンプルをすでに送信している約1200万人の米国人は、すでに中国共産党政権にその個人情報の管理権を握られているかもしれない。

知らぬ間に、中国の大規模なDNA収集計画に参加しているかもしれない。一連の事情から分かるように、この計画から私たちが受益するものは何もない。

スティーブン・モッシャー(Steven W.Mosher)

人口研究所の会長。『アジアのいじめっこ:中国の夢は世界秩序への新たな脅威』(2017.11)著者。モッシャー氏は、スタンフォード大学で、著名な遺伝学者ルイージ・カバリ・スフィルツァ(Luigi Cavalli-Sforza)のもとで生物学を学んだ。

(翻訳編集・佐渡道世)

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