子どもに生きがい、親にできることは?

子どもに生きがい、親にできることは?

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より大きな目標を持った子どもはより幸せで、大きな希望を持つ傾向にある、と言われている。アメリカで2000人の大学卒業生を対象に行われた世論調査によると、80%が仕事をする上で目標を持つことは非常に重要だと信じ、さらに、その半数が目標を持つことで実際に成功している。目標は行動を意識づけ、人生に意味を持たせ、自己を越えて世界にとって重要になるという。

カリフォルニア大学バークレー校グレーターグッド科学センターのマリアム・アブドラ博士(発達心理学)の研究は、目標の基盤は幼少期に形成されるのではないかと示唆している。子どもの頃の良い経験や悪い経験は、人生の目標を築く上で、とても大切な役割を持っているかもしれないという。

幼少期のネガティブな経験は、何十年たってもその人が目標を立てることを邪魔するという。精神的虐待、身体的虐待、貧困、両親の離婚や死別、心身の不健康、など困難なことを幼少期に経験することが、大人になってからの人生目標形成と関連があるというのだ。

特に幼少期に大きな健康問題のあった人は、人生の目標を失いやすいという。ただし、幼少期に逆境を経験した個人が、人生の目標を低くするということが『運命づけられている』わけではなく、幼少期のネガティブな経験は潜在的な危険因子になりうる、という。

しかし、幼少のころにつらい経験をした人でも、子どもを世話しよう、貧困を撲滅しよう、とつらかった経験を反映して素晴らしく明快な人生の方向性を見つける人もいる。

親子関係の悪さも大きくなってからの人生の目標形成に影響する。頻繁な喧嘩は子どものエネルギーと熱意を奪ってしまうため、特に母親とより若い時に対立した子どもたちは、人生の満足度やストレスに関係なく成人初期に目標を築きにくく、人生に生きがいを見出すような積極的な生活を送る可能性は低いという。

逆に、目標を立てることができる人は両親と良好な関係を維持し、成人したときに自分自身について定義することができるという。

高い目標を持った大学生は両親としっかりつながっており、思春期や若年期の独立プロセスにおいても問題がほとんどない。同じように、彼らは自分の将来は自分で描くことを知っており、習熟することや自己管理能力も優れていた。

また、しっかりと目標を持った人は子どものころの良い環境を覚えているとしており、思いやりのある関係の中で育った人は、信頼や自律性、独創力が発達しているともいわれている。

小さな頃の美しい自然の中での経験もまた、その子の後の人生における目標を立てるのを手助けしてくれるという。幼少期に美しい自然の思い出がある大学生ほど、より高い目標を持っているという。

目標は自然の中で感じるような謙虚さと密接に関係しており、壮大な自然に対する自己の謙虚さは、子どもたちに「自分を超越した世界と関わる」ことを教えられるようになる。

幼少期の経験はどのような目標に向かうかにも影響を与えるという。並外れた目標を持った人も、子どものころからはその分野に関わり壮大な目標を持っていたわけではないが、両親や教師、周囲の大人が若者の壮大な目標を育てるために、多様な活動をする機会を若者に与えることで並外れた目標が形成されるという。

例えば、5歳の時にショッピングセンターで水仙の花を売って寄付を募るボランティアをしていた子が癌研究者になりたいと思ったり、9歳の時、隣の家の人がピアノを持っていて、ピンクパンサーやグリーンスリーブスの弾き方を教えてくれたから、音楽を創作し、広めたいと思って音楽業界に入ったといったことである。子どもの頃に両親や教師、友達や近所の人から成功して褒められた経験を強く持っている成人は、人生の高い目標を持つ傾向にあるという研究結果もある。

小さな子どもたちは、これらの多様な経験が将来非常に重要になるということには気づいていないかもしれないが、活動に参加する中で彼らの強みや世界に貢献できる方法を見つけた時、彼らの献身力は次第に大きくなる。

つまり、幼少期の多数の経験は、青年期や成人になってからの人生目標を形成する力になるということである。健康であることや社会との強い関係、活動への積極的で前向きな関わり、自然との関わりなど幼少期の人格を形成する事柄は、有意義な人生目標を創る。

親は、子どもたちが今日の若者たちが直面している大学卒業後の目的がない、という状況に陥らないため小さな頃から目標を探すのを後押しできるかもしれない。

※マリアム・アブドラ博士はカリフォルニア大学バークレー校グレーターグッド科学センター、子育てプログラム部長。親子関係および社会性のある子どもの発達が専門の発達心理学者。この記事は、グレーターグッドマガジンに掲載されたものです。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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