臓器移植、中国高官「延命」「若返り」療法から年間100億ビジネスに拡大

臓器移植、中国高官「延命」「若返り」療法から年間100億ビジネスに拡大

臓器移植は、限定的に中国高官向けの「延命」「若返り」療法として扱われていたが、中国共産党政府はその利潤の高さから年間100億の医療ビジネスへと拡大した。写真はインタビューに応じた人口問題研究所スティーブン・モッシャー氏(Epoch Times)

中国問題に詳しい米国の専門家は、臓器収奪問題について、当初は「延命」や「若返り」に憧れる中国共産党高官向けに限定的に行われていた療法が、いまでは年間100億ドルもの利益を生み出す医療ビジネスとして大規模に実施されていると語った。

NPO人口問題研究所所長スティーブン・モッシャー(Steven Mosher)氏はこのほど、大紀元英字紙の単独インタビューに応じた。モッシャー氏は著書『アジアのいじめっ子:なぜ中国の夢は世界秩序の新たな脅威になるのか』を書いた中国問題の専門家。冷戦以来30年振りに結成された、米国政策に提言する専門家組織「現在の危機に関する委員会:中国」のメンバーでもある。

モッシャー氏は、中国で80年代に臓器移植が行われた目的は、指導者たちの寿命を延ばす療法の一種だったと考えている。たとえば60年代には中国共産党高官が、若者たちの血液を輸血していた。延命効果があると強く信じられている。

次に、延命療法として臓器移植に対する関心が高まった。「恐ろしいことに、収容者は俎上の魚に過ぎなかった。もしも収容者の細胞組織と血液型が中国共産党高官と一致したならば、彼らは頭を銃弾で後ろから打ち抜かれ、身体は医療用車両で運ばれ、心臓や肝臓がただちに摘出された」

当初は、長寿に憧れる中国共産党高官向けの療法だった臓器収奪は、やがて国内外の移植希望患者向けのビジネスモデルに発展した。

英紙スペクテイター6月22日付によると、ある中国国内紙は2000年、利潤の高い臓器移植について「無尽蔵に取れる高質な鉱床のよう」と報じたという。

米国に亡命した政商・郭文貴氏も2017年9月、自身の動画チャンネルで、臓器移植と若者の血液を輸血することが、不老不死を夢見る中国共産党高官の関心事だと語ったことがある。

中国が国の発展の指針として5年おきに発表する「五カ年計画」は2001年、衛生部(厚生省に相当)が臓器移植技術を発展させることを明記している。以後、2006年と2012年にも、科学技術支援計画の主要な研究として引き続き明記している。

臓器移植と医療制度が通常に運営されている国ならば、ドナー登録者の死亡に応じて、移植のための臓器の利用が可能になる。しかし、モッシャー氏は中国では逆だとしている。

「中国では、臓器移植は『予約』できる。あらかじめ刑務所で、細胞組織、指紋、網膜、血液サンプル、臓器の健康状態がチェックされている収容者がいるからだ。彼らの臓器は、15万ドルの価値があるかどうかをいつも検査されている。このため、強制収容所にいる100万人のウイグル族やカザフ族は危険に晒されていると私は考えている」

2013年、大紀元の取材に応じたイスラエルのテルアビブ大学心臓外科医ジェイコブ・ラビ氏は、2005年、自身のイスラエル人患者から「中国で3週間後に臓器移植を予約している」と明かされ、実際に訪中して移植手術を受けたことに衝撃を受けたと語った。ラビ氏によれば「移植手術用の臓器供給のために、人が殺害された以外に考えられない」という。ラビ医師は、2008年の国内臓器移植法制定に協力し、渡航移植を抑制する内容が盛り込まれた。

2019年6月、ジェフリー・ナイス卿を議長にした有志の弁護士、医師らからなる、人道問題を調査し裁定する「民衆法廷」は、最終判決として中国臓器強制収奪は「長らく相当な規模で行われている」と結論付けた。この裁定について、大手を含む英語圏メディアは80本以上の記事や番組を作成し、世界的に中国臓器収奪問題の認知が高まった。

モッシャー氏は、この民衆法廷の挙げた中国での年間の臓器移植件数が9万件ならば、中国医療界は100億ドルの利益を上げていると試算する。

「私は中国共産党の残忍な体制を知っている。人口抑制のために、妊娠9カ月の女性の強制中絶のために薬物を注射して新生児を殺害している。(臓器収奪で)政治犯、クリスチャン、法輪功学習者を殺害していたとしても驚かない。これが体制維持のためで、利益も上げられるならば、彼らにとっては好ましいことなのだ」

(聞き手・Jan Jekielek/翻訳編集・佐渡道世)

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