香港情勢めぐって英をどう喝か 中国再び「人質外交」展開

香港情勢めぐって英をどう喝か 中国再び「人質外交」展開

江蘇省徐州の公安(警察)が薬物使用の疑いで16名の外国人講師と学生を逮捕した。写真は中国国内でスイスのEFエデュケーション・ファーストが運営する英語教室の入口の様子(大紀元資料室)

ロイター通信によると、駐中国の英国大使館は12日、英国人4人が中国江蘇省で逮捕されたと明らかにした。香港問題や「中英共同声明」をめぐって、英政府が中国当局に厳しい姿勢を示している。中国側がまたも、得意な「人質外交」を展開した。

英大使館の発表に先立ち、江蘇省徐州市警察当局は9日、麻薬使用の罪で19人を身柄拘束したと発表した。うち16人が外国籍だという。

英大使館と徐州市警察当局の発表から、4人の英国人が16人の中に含まれているとみられる。このように、中国警察当局がこれほど多くの外国人を「麻薬使用」の罪で摘発したのは近年、異例なことだ。香港デモをめぐって中英関係がぎくしゃくしている今、当局が英国人4人を含む16人の外国人を逮捕した経緯は疑わしい。中国当局が当初から、英国人らを狙って、「罠」を設けた可能性は高い。

中英は、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを可能にする「逃亡犯条例』改正案をめぐる香港市民の抗議活動について、対立が激化している。英政府は、中国当局が「中英共同宣言」で定められた約束を守っておらず、抗議活動を行う市民を鎮圧し多くの負傷者を出したことに強い不満を示した。ハント英外相は今まで複数回、公の場で中国当局を非難して、市民らの活動について支持を示した。メイ英首相も、6月末大阪で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で、習近平国家主席に対して、香港問題に関する懸念を直接伝えた。

中国当局は英政府の強い姿勢に怒りをあらわにした。中国の劉暁明・駐英大使は今月3日、記者会見で、英側の態度が「中国内政への干渉に当たる」と批判した。しかも、劉大使は、専横な口調で「英政府は、香港がもはや英国の植民地ではないことを忘れたようだ」とし、ハント外相の発言が「両国の関係に危害を与えている」と述べた。中国当局にとって「中英共同宣言」がただの紙切れになった。中国当局の「香港の1国2制度を50年間維持する」という約束は、国際社会を騙す虚言に過ぎない。

ならず者の中国共産党政権は英政府をどう喝するために、英国人4人を拘束した可能性が充分にある。当局は昨年末同じ手法で、カナダ政府に報復した。

昨年12月、中国軍と密接な関係にある中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)がカナダで身柄拘束された。その直後、中国当局は中国滞在中のカナダ人元外交官とビジネスマン2人をスパイ容疑で逮捕し、同時に外交、プロパガンダ、国家安全などの各部門を通して、カナダ政府に圧力をかけた。

中国当局はカナダ人2人を拘束した上、麻薬密輸の罪に問われていたもう1人のカナダ人について、有期懲役15年の判決を死刑判決へと刑を重くした。これは、当局がカナダ人国民を人質にし、カナダ政府に孟氏の釈放を迫っていると誰が見ても一目瞭然だ。

当時、カナダのギー・サン・ジャック(Guy Saint-Jacques)元駐中国大使は地元メディアに対して、「中国では偶然に起きることがない」「中国当局は、外国人ブラックリストを持っていると思う。当局は様々な理由で、リストアップされた外国人を拘束できる」と話した。もう1人の元外交官は、「人質に取る」ことは中国当局が様々な計略の中で最初に選ぶ策と指摘した。

2014年、中国当局はスパイ行為と国家機密窃盗の疑いで、カナダ人のケビン・ギャラット(Kevin Garratt)氏とその妻を逮捕した。キリスト教徒のギャラット氏夫婦は中国国内で、人道支援活動を行っていた。2人が拘束された1週間前、カナダ政府は中国政府が支持するハッカー集団からサイバー攻撃を受けたと発表し、中国人の蘇斌氏を逮捕した。当時、中国当局がギャラット氏夫婦を逮捕したのは、カナダ政府への報復だと批判されていた。

一方、昨年末以降カナダ政府は中国当局の「人質外交」に屈しておらず、米政府との連携を強めた。反中国共産党のカナダの野党、保守党の支持率をみれば、中国当局の卑劣なやり方に多くのカナダ人が激怒しているのかが分かる。だから、英政府も屈するはずがないだろう。どう喝という手法では、国際社会の中国当局に対する反感を強めるだけだ。欧米諸国は今後、ますます中国共産党が国際社会に与える危害を認識し、一致団結して様々な分野で中国当局に対抗していく。

(文・周暁輝、翻訳編集・張哲)

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