海外でDNA収集する中国企業 米議員らが懸念

海外でDNA収集する中国企業 米議員らが懸念

2016年撮影 深センにある遺伝子研究所の様子(VCG/VCG via Getty Images)

米捜査局(FBI)や情報戦略家は、中国共産党政権が、世界から収集した遺伝子情報を生物兵器の製造に悪用しかねないとして、危機感を強めている。

米上院チャーリーズ・グラスレイ(Charles Grassley)議員と同マルコ・ルビオ(Marco Rubio)議員は6月、米国保健省に公開書簡を宛てた。DNAなどの遺伝子データが、米拠点の遺伝子検査企業などを通じて、中国に渡る可能性について懸念を表明した。

グラスレイ議員とルビオ議員の書簡には、アイルランドの企業、ゲノム製薬(Genomics Medicine Ireland,GMI)が明記されている。GMIは米国にあるWuXi NextCODE(中国名:明碼生物科技)の子会社で、WuXi NextCODEの親会社は上海にある「薬明康コ新藥開發有限公司」(薬明康コ)。

アイルランド公営の投資会社から資金を得るGMIは、40万人のアイルランド市民を対象とするデータベース構築のプロジェクトを実施している。

プロジェクトは、製薬会社に対するデータベースの販売を計画している。GMIによると、データはアイルランドで暗号化され、保管されるとしている。

一方、WuXi NextCODEと深?華大基因科技有限公司(BGI)は米国市民のDNAデータを収集している。

米中経済安全保障審査委員会(USCC)は2019年2月14日、中国バイオテクノロジーに関する報告を発表した。報告には、中国側が特定の遺伝子に効果を持つ生物兵器の開発の可能性について警告を発した。「中国はゲノムデータや健康記録によって明らかにされた、特定個人の脆弱性を狙う可能性がある。(中略)標的となるのは外交官、政治家、政府高官、軍の指導者など、戦略的に特定された人物だろう」

WuXi NextCODEは、2議員の書簡への返答として、米国のデータは米国のクラウドサービスに保存されているが、中国のデータは中国に保存されるとした。

GMIのように、中国と関連ある企業が海外でDNAを収集する動きは、ほんの一部にすぎない。

BGIは2012年9月、米大手コンプリート・ゲノミクス(Complete Genomics)を買収し、数千万人の米国人DNAを管理する同社データベースにアクセスできるようになったという。

USCCの報告によると、中国との繋がりを持つ遺伝子データ関連米企業はすでに23社に及び、米国において全ゲノム解析など遺伝子診断の業務が認めらている。

これらの企業は、米国の病院、クリニック、商用DNA検査企業から入手した患者らのDNAサンプルのデータを、中国本土に解析のために送っているという。

スタンフォード大学で遺伝子工学を学び、中国問題専門家でもある人口研究所のスティーブン・モッシャー氏は4月、大紀元英字の寄稿文で、既存のプライバシー関連法は、DNA情報の漏えいに関する危険性を想定していないと指摘し、遺伝子検査企業の限定やDNAの国外送付の禁止など、法律に盛り込むべきだと提言している。

BGIと薬明康コはそれぞれ、2015年10月と2016年3月、中国通信大手の華為技術(ファーウェイ)と遺伝子解析の分野でパートナーシップ関係を結んだ。ルビオ議員らは書簡で、「両社のファーウェイとの協力関係は特に憂慮すべきだ」と述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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