米委員会、中国製薬品への深刻な依存に警鐘「10年後、ジェネリック製造力失う」

米委員会、中国製薬品への深刻な依存に警鐘「10年後、ジェネリック製造力失う」

オピオイド系鎮痛剤 (Photo by John Moore/Getty Images)

中国は世界的なジェネリック医薬品と医薬品原料の主要輸出国だ。専門家らは、米国市場に長年製品を供給してきた中国の製薬業界は、国家安全保障上の脅威であると分析する。

米国防総省保健局の理事長クリストファー・プリースト(Christopher Priest)氏は7月31日 、米国防総省の軍事医薬品は市場の供給量に全面的に依存しており、しかも、中国の薬品市場への依存が高まっていると警告した。

「もし中国が米国に医薬品原料(Active Pharmaceutical Ingredient、API)の輸出を規制または禁止したら、米国の(医薬品)国内生産を弱体化し、国内および軍事医薬品の深刻な不足を招く恐れがある」とした 。

中国は現在、世界の医薬品市場のトップを走り、2017年に1230億ドルに達し、2022年までには1750億ドルを超えると予想されている。大規模なジェネリック医薬品産業があるインドでさえ、その主要な原材料80%を中国に依存している。

米国食品医薬品局は、米国の消費者向け医薬品の主要成分の80%以上が海外、主に中国からの輸入品であると推定している。

7月31日に行われた、米中経済安全審査委員会前の公聴会には、4人の医薬品専門家が招かれた。受賞歴のある作家でもあるベン・ウェストホフ(Ben Westhoff)氏は、次のように述べた。「中国政府の補助金や奨励プログラム、そして多数の熟練した薬剤師により、中国の製薬業界は何十年もの間、驚くべき早さで成長してきた」

ウェストホフ氏は、間もなく米国で出版される『フェンタニル:どのようにして、最悪な鎮痛剤の流行が生み出されるのか』で、中国産の新しい精神活性物質(NPS)の薬品とフェンタニルの製造について明らかにしている。

フェンタニルは、主に鎮痛剤、医薬品として広く使われてきたが、違法薬物としての使用が蔓延し、米国に社会問題をもたらしている。フェンタニルは中国製が多いが、直接中国から輸入されたり、メキシコの麻薬組織が南部国境を越え米国内に流通させたりしている。

トランプ米大統領は2017年10月、処方鎮痛剤の不正利用の蔓延に非常事態宣言を発表した。

「毎年、何万人もの人を殺している致死性のある薬を輸出する中国の会社に、お金が渡っている」とウェストホフ氏は語った。中国の科学技術部はVAT(付加価値税)を徴収し、フェンタニルを米国に輸出している企業に助成金を支払っている。

米国生物学研究所ヘイスティングス・センターの上級顧問ローズマリー・ギブソン(Rosemary Gibson)氏は聴聞会で次のように述べた。「5〜10年後には、アメリカはほとんどのジェネリック医薬品を製造する能力を失うだろう。これにより、米国は中国企業にほぼ完全に依存するようになる」

彼女は、米国は現在、耳感染症、レンサ球菌咽頭炎、肺炎、尿路感染症、性感染症、ライム病および他の疾患の治療のための一般的な抗生物質を生産する能力がほとんどないと指摘した。

薬の安全性はもう一つの大きな関心事です。2008年、何百人ものアメリカ人が汚染された中国製の薬で死亡した。2018年、中国の製薬会社が製造した血圧降下薬は発がん性不純物を含んでいることが判明した。

ウェストホフ氏によると、中国は偽造医薬品が長らく放置されており、中国の製薬会社は一般的に品質データの改ざんおよび不正操作を行っているという。

「中国の非効率な官僚主義では、化学薬品産業の不正を制御することは難しい。多くの企業では不正がまかり通っている」

(翻訳編集・佐渡道世)

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