豪州地方当局、13孔子課堂の閉鎖を決定

豪州地方当局、13孔子課堂の閉鎖を決定

孔子学院ネット(スクリーンショット)

豪州のニューサウスウェールズ州の教育局は、公立学校13校が契約した中国語および文化講座「孔子課堂」を閉鎖することを決めた。孔子課堂は中国共産党の宣伝機関とみなされている。専門家は、講義内容が中国政府のプロパガンダの要素が濃く、オーストラリアの学問の自由を傷つけていると指摘する。

中国教育部傘下組織が管理する、高等学校から小学校までの生徒向けの授業を行う孔子課堂は、大学教育以上向けの「孔子学院」と同様、共産党政権が審査した教材を使用する。「教師」となる人材も中国当局が派遣する。

2018年5月以来、ニューサウスウェールズ教育局は、孔子課堂のプログラムが国内法「外国勢力干渉法」に違反しているかどうかを審査してきた。その結果、政治介入の明確な証拠はないとするものの、「不適切な外国の影響を助長する恐れがある」とした。

マーク・スコット局長は8月23日、孔子課堂を管理する中国教育部の漢語国際推進指導小組弁公室(略称・漢弁)と12月に協議し、契約を更新しないと発表した。

シドニー工科大学の馮崇義教授は、「朗報」と当局の決定を歓迎した。「中国の教育は中央宣伝部の管理下にある。教育内容は党の方針に適合している。オーストラリアの学問の自由、民主主義、言論の自由の精神には違反している」と述べた。

オーストラリアの孔子学院と課堂の数は、米国と英国に次いで世界第三位で、14の学院と67の課堂がある。

これとは別に、オーストラリア政府は国内の大学13校に設置された孔子学院についても、国内法違反の疑いで調査している。現地紙シドニー・モーニング・ヘラルドは、複数の大学が孔子学院と交わした契約文書のなかで、大学側が孔子学院の指導内容に介入しないよう要求する内容があるという。

カナダのマクマスター大学は2013年、学生の保護者らの反対運動により孔子学院との契約を破棄した。この事例を取り上げたドキュメンタリー映画「孔子の名のもとに(In The Name of Confucuis)」によると、中国本土で雇用される教師は、言論の制限がされていることが分かっている。

中国共産党はチベット、新疆ウイグル自治区、法輪功迫害、六四天安門事件、台湾や香港、人権や民主主義などの話題は、一党体制維持に不利なため、国内で情報封鎖している。国外に派遣された孔子学院教師も、これらの質問を受けた場合、回答を避けるよう要求されている。

映画のなかで、インタビューに応じた中国問題専門家クレイブ・アンスレイ氏は、「孔子学院で、孔子哲学や儒教を学ぶことはできない。そもそも中国共産党が文化大革命により破壊した価値観なのだ。孔子学院は、共産党イデオロギーを広める政治機関だ」と問題性を指摘した。

中国教育部は139の国・地域に505の孔子学院、1008の孔子課堂を設置した。日本には孔子学院が早稲田大学、立命館大学、桜美林大学、工学院大学、武蔵野大学など15大学に、孔子課堂は長野県日中友好協会、神戸東洋医療学院の2つに設置されている。

(翻訳編集・佐渡道世)

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