産まれたばかりの赤ん坊は自分の子ではない、DNA検査が母親の直感を証明した

産まれたばかりの赤ん坊は自分の子ではない、DNA検査が母親の直感を証明した

(Illustration - Shutterstock)

これは悪夢か、はたまたSFかホラー映画のような物語だ。母親が元気な赤ちゃんを出産し、看護師はへその緒を切るために母親の元から赤ちゃんを連れて行った。その後、彼女の元に戻ってきた赤ちゃんに母親は異変を感じ取った。それが何なのか言葉で言い表すことはできないが、母親にはその子が自分の子どもではないことがわかっていた。

現実は時に小説よりも奇妙で恐ろしいものである。出産後に赤ちゃんが入れ替わっていると確信したマーシー・カサナラにとっては、まさにそんな出来事だった。

カサナラはエルサルバドルの出身だが、勉強のためアメリカに留学していた。テキサス州ダラスのクライスト・フォー・ザ・ネイションズ学院に入学した彼女は、イギリス、ウェスト・ヨークシャー出身のリチャード・クッシュワースと運命的な出会いを果たした。強く惹かれ合った2人はダラスで結婚し、すぐに第一子を授かった。

しかしカサナラのビザの期限は切れかけており、彼女はグリーンカードをまだ取得していなかった。そのため彼女は、出産のためにエルサルバドルへ帰国しなければならなかった。彼女はエルサルバドルの首都、サン・サルバドルにある国内でも有数の病院で出産の日を迎えた。

あいにく赤ちゃんをすぐに出産する必要があったため、カサナラは緊急帝王切開手術を受けた。産まれたばかりの赤ちゃんは、経過観察のために一晩母親の元から離れなければならなかった。カサナラは、「私は枕元にやってきた赤ちゃんにキスをして、その後彼は新生児室に連れて行かれました。彼を見たのはそれが最後です」と語った。

次の日、看護師らがカサナラの元に赤ちゃんを連れてきたが、彼女はそれが自分の子どもではないと確信していた。「赤ちゃんを抱いた時、私は『この子は私の子ではありません』と言いました」そもそも、カサナラは色白で夫のクッシュワースは白人であるにもかかわらず、看護師が連れてきた赤ちゃんは非常に黒い肌色をしていた。さらにひどいことに、カサナラの赤ちゃんは小さくてか細くほとんど髪の毛が生えていなかったのに、差し出されたのは大きくて髪の毛がふさふさした赤ちゃんだった。

彼女は看護師らに、出産後に見た赤ちゃんとその子はまったく似ていないと伝えたが、彼らに「あなたは帝王切開の後に薬を投与されているんです」と言われたという。看護師や医者からお見舞いに来た友人たちまで、誰もがこの子がカサナラの子どもだと彼女に言い聞かせた。

カサナラがダラスに戻って夫と再会し、赤ちゃんを迎え入れようと最善を尽くしていた時でさえ、彼女の疑念は晴れなかった。カサナラは赤ちゃんへの深い愛情を感じながらも、何かが違うという感覚を抑えることができなかった。彼女は「この気持ちを振り払おうとしました。そんなはずはない、これはハリウッド映画の世界の話だと」と語った。

彼女はまた、「私たちは赤ちゃんを愛していました。DNA検査を受けた時でさえ、私は彼を裏切っていると感じていました。私は息子を裏切っているけれど、このままでは一緒に暮らせないと思ったんです」と語った。しかしDNA検査の結果が出たとき、彼女の疑念は払拭された。医師は彼らにカサナラが赤ちゃんの母親である確率は0%だと述べたのだ。

カサナラは自身の疑念が正しかったとわかり安心したものの、彼女にとってはなんの慰めにもならなかった。彼女は、「2つの考えが浮かびました。この子はこれからどうなってしまうのか、そして私たちの赤ちゃんはどこへ行ってしまったのかということです」と語った。

こうして、血のつながった赤ちゃんの行方と、なぜ取り違えが起きてしまったのかを明らかにするための長い戦いが始まった。彼らは在エルサルバドル英国大使館の援助を受け調査を開始し、同病院でほぼ同時期に出産した母親たちにDNA検査を受けてもらった。

最終的に彼らは血のつながった赤ちゃんを見つけることができ、これまで世話してきた赤ちゃんを元の家族に引き渡すことができた。それは両者とって感動的な再会であり、どちらの家族も再会した赤ちゃんへの愛情を爆発させた。役所やエルサルバドル裁判制度への対応もまた悪夢だが、お互いに赤ちゃんを取り戻せたことが最も重要だった。

クッシュワースは、「とても長く辛い道のりでした。私たちの奇跡のような子どもがダラスにいることをまだ信じられません」と語った。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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